米軍が特別扱いするイスラエル軍の全貌 ガザの市街戦で投入される独自兵器「ナグマホン」、世界トップレベルの「C4Iシステム」とは
責任追及
ハマスがイスラエルに勝利できるはずもない。たとえ奇襲攻撃が成功しても、後が続かないのは誰の目にも明らかだ。ハマスの目的は何だったのだろう。
「ハマスは原理主義組織であり、イスラエルとの全面対決を主張してきました。ところが、最近は確たる“戦果”を挙げていません。ロケット弾を散発的に発射し、自爆テロを敢行するぐらいで、手詰まり感がありました。しかし、今回の奇襲作戦は成功し、イスラエルに多大な損害を与えました。少なくとも一部のアラブ社会は称賛しており、彼らはそれだけで充分なのかもしれません。同時多発テロで世界に衝撃を与えたアルカーイダのウサーマ・ビン・ラーディンも、“次の手”は打てずにアメリカの特殊部隊に殺害されました」(同・ジャーナリスト)
イスラエルにとっては、ハマスを掃討しても終わりにはならない。戦闘に一段落がつけば、イスラエル国民は今回の失態が誰の責任なのかの解明を求めるに違いない。
「イスラエルの情報機関モサドは、世界最高レベルの実力を持っていると評価されてきました。ところが、ハマスが数千発のロケット弾を備蓄していたにもかかわらず、攻撃の情報を掴むことができなかった。これは文字通りの大失態で、“戦後”にモサドの責任が追及されるのは確実でしょう。一方、CNNは13日、アメリカの情報機関はハマスの攻撃情報をキャッチしていたと報じました。アメリカ政府がどのように情報を扱い、イスラエル側と共有したのか、アメリカ議会も実態解明に動き出すのではないでしょうか」(同・ジャーナリスト)