ソフトバンクはコスパが悪すぎた…ホームラン1本で7億7600万円 外国人選手「勝ち組球団」と「負け組球団」はどこだ?

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助っ人4人合わせて“ホームラン1本”

 なかでも、コストパフォーマンスという点で、ソフトバンクは12球団で最悪だったといえる。ロッテから加入したオスナが、26セーブをマークして防御率0.92と安定した成績を残したが、他の選手はかなり苦しんだ。阪神から加入したガンケルは1勝もあげることができず、モイネロは、7月に左肘手術で長期離脱となった。

 野手は、さらにひどく、ガルビス、ホーキンス、アストゥディーヨの3人で放ったヒットはわずかに11本にとどまった。シーズン途中に急遽、昨年まで在籍していたデスパイネを呼び戻したものの、20試合出場で、3安打と全く戦力にならなかった。

 推定年俸は、ガルビスの3億5000万円を筆頭に、アストゥディーヨとデスパイネは1億8000万円、ガンケルは1億6000万円、ホーキンスは6600万円となっている。野手の推定総年俸(ガルビス、アストゥディーヨ、デスパイネ、ホーキンス)は7億7600万円。ここから単純計算すると、ヒット1本あたりの金額は約5543万円となる。ホームランは4人で1本だけなので、1本あたり7億7600万円だ。前述したようにガンケルは1勝もできず、結果的に1億6000万円をドブに捨てたといえるだろう。今年のソフトバンクは、あまりにコストパフォーマンスが悪すぎた。

 一方、ソフトバンクほどの多額の金額を投資したわけではないが、楽天もまた「負け組」と言えるだろう。野手をみると、新加入のフランコが12本塁打を放ったものの、打率は2割台前半に低迷し、シーズン終盤には全く戦力とならなかった。2年目の飛躍が期待されて残留したギッテンスは、一軍出場はなかった。投手陣では、新加入のバニュエロスが一軍でわずか1試合の登板で、2/3回を投げて6失点、防御率81.00という成績に終わっっている。ここ数年は、新外国人選手の外れが続いており、獲得ルートやスカウト体勢を見直す必要がありそうだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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