大いなるマンネリも見納め? 司会からもジャニーズ締め出し 有吉抜てきでどうなる「大茶番劇」紅白
マンネリと好相性だったジャニーズとの決別 問われる演出の方針転換
そうはいっても、あのマンネリがいい、余計なことをされては興醒めだと言う声も一定数ある。しかし、そのマンネリの立役者として中心にいたのは、ジャニーズタレントたちだったのではないだろうか。
代々司会として抜てきされていたジャニーズタレントたちは、アーティストや役者という顔も持っており、実に使い勝手が良かった。さまざまな歌手と軽やかに会話を交わし、規定通りのセリフを表情豊かに読み上げ、アニメキャラクターや着ぐるみにもはしゃいでみせる。不慣れな若い女性タレント司会が横にいる時、バラエティーで鍛えた彼らの司会進行ぶりは確かに頼もしく見えることもあった。
さらにジャニーズタレントたちの陰の功績は、出番でない時の盛り上げだろう。他の歌手のバックで手拍子や踊りで華を添え、知らない曲になった途端にチャンネルを変える若い層の手を止めさせる役を負わされていた。さすがに最近は見なくなったが、演歌歌手のみこしを担ぐという黒子的な仕事でさえやっていたTOKIOの松岡昌宏さんの吹っ切れ方は今も記憶に残っている。
ただ今年はジャニー喜多川氏の性加害問題ゆえ、司会はもちろん出演枠も大幅に減らされると報じられている。そうなるとあの茶番劇の数々を、誰が手伝ってくれるのだろうか。女性版ジャニーズともいえる坂道系のアイドルたちも、近年ではいい意味ではおしとやか、悪く言えば身の入らなさが見て取れる。個人的には、ジャニーズ以外ではDA PUMPのISSAさんが頑張ってくれていた印象があるのだが、今年ヒット曲がない以上出演は難しい。やっぱり今年も、橋本さんの器用さと愛らしさと割り切りにおんぶに抱っこになる目算が高い。
偉大なるマンネリを、支える役者が不足している今年の紅白。ジャニーズとの決別で、いよいよ大転換が問われているのではないだろうか。
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