ルーキー200奪三振でもメッツ「千賀滉大」は新人王争いで苦戦 「ゴジラ松井の悲劇」が繰り返されるのか

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「MLBでやっていける」

「イチロー氏や野茂氏はスンナリと新人王をとった。彼らは成績が圧倒的だったからです。松井氏は僅差でライバルたちと争っていましたので、日本でのキャリアが指摘されたんです。今では、外国のプロリーグでのキャリアを持ち出すのは辞めようと言う野球記者も多くなりましたが」(前出・米国人ライター)

 千賀とキャロルは、甲乙つけがたい成績だが、「NPBでのキャリア」がまた蒸し返されるようなら、松井氏の悲劇が繰り返される可能性も高い。

 だが、チーム事情を俯瞰すると、新人王レースの行方ばかりを気にしてはいられないようだ。

 メッツは今季、ナ・リーグ東地区で4位。シーズン序盤から負けが込み、コストカットでジャスティン・バーランダー(40)、マックス・シャーザー(39)の先発ローテーションの2枚看板を途中放出してしまった。千賀が事実上のエースとして後半戦を支えてきたが、チームはゼネラルマネージャーだけでなく、バック・ショーウォルター監督(67)まで解任してしまった。フロント刷新、戦力補強など慌ただしいオフとなり、それに千賀も巻き込まれそうなのである。

「オリックス・山本由伸(25)の獲得に備え、大金を用意しているとの情報もあれば、『金満補強では優勝できない』との見解から、チームの総年俸を落とすとも言われています。山本を獲得するのなら、日本人投手の2枚看板が来季、実現するかもしれません。しかし、後者の場合はトレード要員になる可能性もある」(現地メディア関係者)

 今季最終登板後、千賀は「来季はチームのエースに?」の質問を受け、

「僕がエースと呼ばれなくてもいいような補強をお願いしたいなと思います」

 と、テレ笑いを浮かべていた。その表情から察するに、「MLBでやっていける」という自信もついたのだろう。勝利数、防御率、奪三振数でチームトップとなった千賀が来季「メッツの顔」としてプレーする姿を見たいものだ。

デイリー新潮編集部

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