ルーキー200奪三振でもメッツ「千賀滉大」は新人王争いで苦戦 「ゴジラ松井の悲劇」が繰り返されるのか
「ゴジラ松井の悲劇」が再び?
サイ・ヤング賞はMLB投手にとって最高の栄誉だ。その有力候補なのに、新人王レースでは苦戦とはおかしな話だが、この件はニューヨークでは「ゴジラ松井の悲劇の再現か?」とも報じられている。
松井秀喜氏(49)の悲劇とは何かを説明する前に、まず、今季のナ・リーグ新人王候補を解説しよう。同レースで千賀のライバルと目されているのが、ダイヤモンドバックスの外野手、コービン・キャロル(23)。19年、「高校生ナンバー1野手」とMLBスカウトから評価され、ドラフト1位でダイヤモンドバックス入りした。その後は怪我などもあったが、昨季途中にメジャーに昇格し、「23年の新人王候補、走攻守の全てに優れた逸材」と期待を寄せられていた。
「主に1番右翼でチームを牽引してきました。とくにベースランニングに関してはMLBトップのスピードがあると言われています。母親が台湾出身で今春のWBC出場も打診されたんですが、辞退しました。もし出場していたら、日本でも人気が出ていたかもしれません」(現地特派記者)
そのキャロルの成績は打率2割8分、本塁打25、打点76。盗塁54はリーグ2位だった。
MLB公式サイトが発表した新人王の予想オッズでは、そのキャロルが1位で1.01倍。千賀は2位で14倍。3位以下は150倍以上がついていたので、キャロルと千賀の一騎打ちと見ていい。
しかし、「ナ・リーグのサイ・ヤング賞の候補」と評された前述のダイヤモンドバックス戦でのこと。地元放送局SNYの実況アナウンサーは、こうも伝えていたのだ。
「千賀とキャロルの新人王レースは甲乙付けがたいです。でも、『日本のプロ野球で何年かプレーしていた選手は新人ではない』と考える投票者がいる分、キャロルが有利ではないでしょうか。私見ですが、同様のケースがあった。 03年、ヤンキースの松井がアンヘル・ベロア(45=当時ロイヤルズ)に投票で敗れています。ゴジラ松井のときのようにならなければいいんですが」
松井氏は03年、全163試合に出場し、新人最多の106打点をマークした。しかし、全米野球記者協会(BBWAA)が選んだのは、ベロア。投票したBBWAAの記者たちは、その理由として、「日本のプロ野球で何年かプレーしていた選手は新人ではない」と語っていた。
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