本人には“お宝”でも、家族からは“ゴミ”扱い…貴重なコレクションを処分されないための鉄則「4カ条」
(2)離れた実家にコレクションを置かない
コレクションを紛失してしまう原因として多いのが、引っ越しである。引っ越しの最中に紛失したり、間違って捨ててしまうこともあれば、進学や就職などで実家から離れて暮らしているうちに、親に勝手に処分されてしまうケースもある。
後者は意外に多いトラブルであり、進学で一人暮らしを始めるという学生は要注意である。一番確実な予防策は、とにかくコレクションを引っ越し先に持っていき、手元に置くことだ。すべて持っていくのが大変という人は、二度と手に入らないような貴重品だけでも厳選し、持っていったほうがいい。
親に悪気がないことも多いため、余計に困る。「あなたが帰ってくる日のために部屋を片付けておいたわよ」という親の親切心が、「余計なことをしやがって!」という親子喧嘩に発展してしまっては、悲惨としか言いようがない。
何を隠そう、筆者も10年以上前に祖父が終活をした際、自身の骨董品などと一緒に、実家に置いてあったコレクションを処分されてしまったことがある。知ったときは唖然としたのだが、さすがに怒りようにも怒れなかった(祖父はすでに亡くなっている)。その後、運よく買い戻せたものもあるが、いまだに買い戻せていないものもある。繰り返すようだが、貴重なコレクションは手元に置いていくようにしたいものである。
(3)段ボールに品名をちゃんと書く
コレクションを段ボールに保管しているコレクターは多い。段ボールは非常に便利なものだが、どこに何を入れていたのか分からなくなったり、間違ってごみと一緒に処分されたりすることもある。特に、引っ越しの際、処分するものに紛れてしまい、誤って捨てられるケースが少なくない。
段ボールにコレクションを入れておく際は、マジックなどで箱に品名を大きく書いておくようにしたい。また、コレクション用の段ボールは、日用品などと分けて保管しておくようにしよう。部屋にゴミが溜まってしまい、コレクションを埋もれさせているコレクターは意外に多い。どれがゴミでどれがコレクションなのか、わからない状態にしてしまうのはご法度である。
(4)コレクションの価値を伝えておく
コレクションの価値がわかりにくいせいで、ゴミだと思われ、勝手に捨てられてしまうこともよくある。ダイヤモンドなどの宝石やロレックスなどの高級腕時計なら何となく高そうだとわかるが、一般人に価値がまったく理解できないものが、漫画・アニメやおもちゃなどのコレクター界隈では、とんでもなく高額だったりするのが“あるある”なのだ。
古い雑誌や古いヴィンテージコミックは、ゴミ扱いされやすいコレクションの最たるものである。筆者は以前、昭和30年代の「週刊少年マガジン」や「なかよし」が大量に資源ゴミに出されている光景を目にしたことがあるが、あれは果たして処分されて大丈夫だったのか、今になっても疑問を抱く。もしかしたら持ち主が亡くなって捨てられたのかもしれないが、いずれにせよ、貴重なコレクションだったのではないだろうか。
フリマサイトでいくらでも手に入るものであれば、万が一、捨てられた場合でも買い直すことはできる。しかし、買い戻すのが困難な一点ものなどの貴重なコレクションを持っている人は、日頃から周囲との対話が欠かせない。例えば、具体的にコレクションの価値の高さを伝えておくことは大切だ。「鑑定団」でも、ガラクタと思われていた品物にびっくりするような高値がつき、今まで敵視していた家族の見る目が変わる例はよくある。人は価値が高いとわかれば、粗雑に扱わなくなるものである。
ただ、正確な値段を伝えることにもデメリットがある。人によっては、家族に黙って高いものを買ったことがバレる場合もあるためで、痛し痒しといえる。しかし、本当は高価なソフビ人形なのに、「安く買った」と妻に伝えていたせいで、本当に安物と勘違いされて誤って処分され、悲劇につながった例を筆者は知っている。捨てられるリスクを考慮すると、嘘をつかず、正直に伝えた方がいいと思う。
コレクションはコレクターやファンにとって生きがいであり、分身でもある。周りへの配慮も忘れないようにして、コツコツと蒐集に励みたいものだ。
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