急遽日本で開催された世界相撲選手権 ウクライナチームが大躍進を遂げた理由とは

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世界各国の選手が「相撲」で1つになる

 一方、元大関の把瑠都さんもエストニアチームの監督として来日した。把瑠都さんはエストニアに相撲道場を作り、国会議員の仕事の傍らに指導をしている。今大会では「教え子」たち一人一人に具体的な作戦を授け、土俵の脇から大声で声援を送っていた。

 また2016年、モンゴルでの世界相撲選手権で招致と開催に尽力した元横綱・白鵬の宮城野親方は、早い時間から各国の選手たちの相撲を熱心に見守った。

「世界各国の選手が、『相撲』で1つになるのは、本当にいいことですね! ウクライナ勢の躍進が目覚しいですが、さすが昭和の大横綱・大鵬関のルーツの国(父親がウクライナ人)という感じです。観戦中は、私が手がけている少年相撲大会『白鵬杯』に出場した外国人選手たちが挨拶に来てくれたりしました。相撲を広めることに少しは役に立っているかな?」

 と語り、参加選手たちに記念品を用意するなど、世界相撲選手権のさらなる発展を望んでいた。

 なお、団体戦では、日本男子チームがウクライナチームを下して優勝。チームワークの良さが目立ち、「相撲王国、日本」のプライドを守った。

 来年は、ポーランドで同大会が開催される予定だという。

武田葉月
ノンフィクションライター。山形県山形市出身、清泉女子大学文学部卒業。出版社勤務を経て、現職へ。大相撲、アマチュア相撲、世界相撲など、おもに相撲の世界を中心に取材、執筆中。著書に、『横綱』『ドルジ 横綱朝青龍の素顔』(以上、講談社)、『インタビュー ザ・大関』『寺尾常史』『大相撲 想い出の名力士』(以上、双葉社)などがある。

デイリー新潮編集部

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