ジャニーズ会見で「望月衣塑子記者の暴走」にヤクザまがいの怒声をあげていた“謎の男”は「産経新聞記者」だった

国内 社会

  • ブックマーク

鈴木エイト氏の発信で広まった「サクラ疑惑」

 ジャニーズ事務所に対する世間の鬱憤はたまる一方で、とうとう「陰謀論」のような話まで出てきた。まず持ち上がったのは「白いマスク集団」である。

《最前列の芸能記者たちは、なぜかマスクを着用。それがあたかも目印のようだった》

 これを言い出したのは望月記者だ。10月3日に自身のX(旧Twitter)に書き込まれたこの投稿は、当初、「それってあなたの感想でしょ」と一蹴されかけたが、NGリストが発覚すると信憑性を帯びて語られるようになった。

 次に出てきたのが「野次るけど挙手しない人物」。こちらを真っ先に唱えたのはジャーナリストの鈴木エイト氏である。

《ジャニーズ事務所会見当日、私が抱いた最も大きな違和感は“客席”上手側の後ろの方に座っていた男性の存在とその言動だ。大柄なこの男性は質疑応答の際も手を挙げることなく、NGリストの記者が質問者指名選別に異論を唱えていた時、被せるように「捌けよ、司会がぁ!」「司会がちゃんと回せよ!」などと罵声を浴びせていた。私の直感だが、この男性はメディア関係者ではない》

 鈴木氏が8日、自身のXに書き込んだこのポスト は、瞬く間に拡散。すかさず反応したのが東京スポーツとデイリースポーツで、同日中に鈴木氏のポストをコピペするだけのいわゆる“コタツ記事”を配信した。鈴木氏の投稿は、13日午前現在、9000回近くリポストされている。

次々と加勢するマスコミ

 10日にはFRIDAYデジタルが〈ジャニーズ会見『NGリスト』以外も…『ちゃんと回せよ!』挙手せず“野次だけ”記者の『異様正体』〉との記事で加勢。しかし、この記事も会見場で「謎の男」を目撃したテレビ局の記者を取材している体にはなっているものの、結局、正体はわからずじまいの中身のない記事だった。

 同日、鈴木氏は上記の記事を引用しながら謎の男についてXに再投稿。

《ジャニーズ事務所会見の際、私が座っていたのは黄色の位置、手も上げず怒号を発していた不審な男性がいたのは赤で囲った辺り。罵声を浴びせた後にニヤニヤしていたのが「記者っぽくないな」と思った理由のひとつ。》

 今度は座席表の画像もアップ。謎の男がいた位置まで示した。すると、紀藤正樹弁護士がXで《いわゆる荒れる株主総会にしばしば見かける会社側の“サクラ”で、記者でない可能性があります》と呼応し、それをまた中日スポーツがコタツ記事に……。

 SNS上で謎の男の検証が始まり、ついには「コンサル会社の回し者」だの「ジャニーズに雇われたヤクザ」などと言われるに至ったのである。

次ページ:彼ならやりかねない

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。