大先輩、大谷・菊池がバックアップ…「佐々木麟太郎」を待ち受ける米国留学の中身 在学中に代理人も

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強力な援軍

 佐々木を心配する“応援団”のなかに、同校の先輩でもあるエンゼルスの大谷翔平(29)、ブルージェイズの菊池雄星(32)、そして、大谷の父で中学時代の恩師にあたる大谷徹氏(61=金ケ崎リトルシニア)もいる。

「菊池、大谷ともに高校時代からメジャーリーグ志望を口にしていました。菊池は埼玉西武で9年、大谷は北海道日本ハムで5年。それぞれ、NPBで得たものも大きいと思いますが、大谷は来季で30歳を迎えます。菊池、大谷がメジャーリーグのステージで活躍できる期間は決して長くないと思います。そう考えると、1年でも早くメジャーリーグに挑戦したほうがいい」(地元関係者)

 米国の強豪大学への進学は、メジャーリーグに挑戦することとほぼイコールである。米国の大学では、マイナーリーグの現・元コーチが学生を教える。技術的な指導はもちろん、学生たちは“プロの練習スタイル”を学ぶ。グラウンドに出ると、その日の練習メニューが貼り出されていて、そのなかには「Live BP」「BC」などの略語もあるそうだ。

「Live BP」は、「Live Batting Practice」。日本で言う、実戦形式の打撃練習であるシート打撃に近い。「BC」は「Ball Communication」を略したもので、キャッチボールや内野ノックの前に行われている“ボールまわし”などを指す。

「日常会話だけでなく、現地では普通につかう英語での野球用語に戸惑った日本人メジャーリーガーもいました。でも、彼らは日本での実績があったので、専属の通訳をつけることができました」(米国人ライター)

 佐々木は、あくまで一介の留学生として扱われる。練習中、コーチが気付いたことをアドバイスしてくれるが、「Listening」ができなければ元も子もない。また、野球文化も違う。

 日本のスポーツでは「正々堂々、最後まで全力で」が基本だが、米国では「Unwritten Rules」がある。直訳すれば、暗黙のルールだ。たとえば、大差の付いてしまった試合で、リードしている側の選手が容赦なく盗塁やエンドランを仕掛けてきたら、「相手チームに失礼だ」と解釈されるのが米国流だ。これを破ったら、故意に危ない球を投げられても文句は言えないそうだ。

「好プレーをした後や適時打を打ったときにガッツポーズを取ったら、報復の対象にされます。U-18の試合前、日本の監督、コーチが選手たちに注意しています」(前出・関係者)

 こうした違いに戸惑うこともあるが、何より佐々木には大谷・菊池という現役メジャーリーガーの相談相手もいる。そう考えると、米国留学はやはりメジャーリーグ志望の夢を叶える近道かもしれない。

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