ヘンリー王子の“暴露”はいつまで続くか 米国でも見えたウィリアム皇太子との差
9月のニューヨーク訪問は歓迎ムード
チャールズ国王とウィリアム皇太子による米国での政治介入はあり得ない。だが、英王室には、「環境問題」という政治家と話すべき世界共通のテーマがある。バイデン大統領は7月にチャールズ国王と、昨年12月にウィリアム皇太子と会談した。これらの会談では、気候変動対策や2022年9月に死去したエリザベス女王の思い出が話題になったという。
ウィリアム皇太子は9月中旬、約10年ぶりに米ニューヨークを単独訪問した。自身が中心となって設立した「アースショット賞」の関連サミットに出席し、今年度の最終候補者を発表するためだ。同賞は環境保護に貢献した人物を選出するもので、今年度の授賞式は11月にシンガポールで開催される。
訪問は2日間と短かったが、メディアは歓迎ムードを伝えた。「セントラルパークで日課のジョギングをした」「今度は子どもたちと一緒に来たい」といった発言も大きく取り上げられていた。この「ジョギング」発言は、英国である噂と結び付けられている。
英大衆紙「デイリー・メール」は、ウィリアム皇太子が米国でチャリティーランを開催する可能性について報じた。根拠は今年5月12日に米国で申請された商標登録だ。ウィリアム皇太子とキャサリン妃の財団名を商標登録するものだが、この申請書に「メンタルヘルス分野の慈善活動に関連した印刷物、横断幕、ポスター、プリントされたゼッケン、衣服、履物、帽子」への商標使用を求める記述があったのだ。
かつてヘンリー王子は、英王室が自身とメーガン妃のメンタルヘルスに救いの手を伸ばさなかったと暴露したことがある。王室専門家たちは「誤解である」と指摘したが、ウィリアム皇太子のチャリティーランが実現すれば、効果的にイメージをアップできるだろう。
正面から爆弾を投げる側と、一歩下がってやるべきことをやる側のどちらに支持が集まるか。英王室評論家のリチャード・フィッツウィリアムズ氏は英大衆紙「デイリー・エクスプレス」が5日に掲載したコラムで、ヘンリー王子夫妻にとっての教訓は「プライバシーを叫びながら公の場で頻繁に家族を攻撃すれば、最終的に世間の尊敬を失うのが現実だということだろう」と指摘している。