女子の勢い増す米ゴルフ界 男子ツアー参戦のトンプソンは78年ぶりの予選通過なるか

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 10月12日から米ラスベガスのTPCサマリンで開催されるPGAツアーのシュライナーズ・チルドレンズ・オープンに出場するレキシー・トンプソン(28)が、男子ツアーに挑む史上7人目の女子選手として注目を集めている。さらに今年、1999年を最後に開催が途絶えていた男女混合のチーム戦が復活する。今、米ゴルフ界は、女子選手の勢いが増している。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】

米ゴルフ界では男子が圧倒的人気

 日本では近年、女子ゴルフの人気が男子ゴルフを大きく上回っているが、アメリカでは昔も今も男子ゴルフの人気が女子ゴルフを圧倒的に凌駕している。

 とはいえ、米女子ゴルフがずっと不人気だったわけではない。「フェアウエイの妖精」と呼ばれたローラ・ボー(68)をはじめ、ベッツィ・キング(68)やジュリ・インクスター(63)らが活躍した1990年代、そして、アニカ・ソレンスタム(52)が女王として君臨し、その座がロレーナ・オチョア(41)へと引き継がれた2000年代序盤までは、米女子ゴルフは大いに賑わっていた。

 しかし、ソレンスタムが2008年、オチョアが2010年に引退してからは、韓国をはじめとするアジア勢に上位を占められ、米国人スターを欠いた米女子ゴルフの人気はすっかり低迷してしまった。

 ところが、ここ数年は米女子ゴルフ界が再び活気を取り戻しつつある。その「活性剤」となっているのは、ジェシカ(30)とネリー(25)のコルダ姉妹やレキシー・トンプソンといった米国出身のスターの活躍と言っていい。

 そしてトンプソンは、今週(10月12~15日)、PGAツアーのシュライナーズ・チルドレンズ・オープンに推薦出場し、男子ツアーの大会に挑む史上7人目の女子選手として大きな注目を集めている。

男子の大会で唯一予選通過した女子選手

 なぜトンプソンがPGAツアーの大会から推薦出場をオファーされたのか。

 その最大の理由は「トンプソンなら男子ツアーの大会でも予選通過を果たすのではないか」という期待を抱かせる選手だからだ。

 12歳で全米女子オープンの出場権を手に入れ注目を浴びたトンプソンは現在28歳。米LPGA(米女子ツアー)ではメジャー1勝を含む通算11勝を挙げた熟練選手で、9月に行なわれた女子ゴルフの米欧対抗戦ソルハイムカップでは、米国チームの主力選手として大活躍したばかりだ。

 ここ数年、トンプソンは、PGAツアーがシーズンオフに開催していたエキシビション大会QBEシュートアウトに希少な女子選手として出場し、「女子選手とは思えないほどの飛距離だ」「素晴らしいパワーヒッターだ」と男子選手たちから絶賛された。

 そんな経緯があって、PGAツアーのシュライナーズ・チルドレンズ・オープンは彼女に推薦出場をオファーした。

 男子の大会に挑んだ女子選手といえば、1938年以来、男子の大会に7度挑んだベーブ・ザハリアスが草分けだ。ザハリアスは1945年のフェニックスオープンとツーソンオープンで予選通過を果たした。

 だが、これらの大会は当時は公式戦ではなかったこともあり、今回、PGAツアーはザハリアスが最後に挑んだ1946年ロサンゼルスオープン(この年から公式戦)のWD(途中棄権)を公式記録として発表した。

 ザハリアスの挑戦後は、1952年にシャーリー・スポークがバラクーダ選手権で105位になったが、この大会は予選落ちなしの大会だった。

 その後は2003年にソレンスタム、そしてスージー・ウエイリーと続き、2004年からはミッシェル・ウィーがPGAツアーの8試合にチャレンジした。近年では2018年にブリタニー・リンシコムがバーバソル選手権に挑んだが、誰一人、予選カットラインの壁を越えることができないでいる。

 そんな中、トンプソンが78年ぶりに予選通過を果たせるかどうかが、今週の米ゴルフ界の大きな話題になっている。

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