クーアンドリク問題で新展開 ペット保険最大手「アニコム損害保険」社長がインタビューで“蜜月関係”を反省「徹底調査します」

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調査を拡大する方針

 それだけ近い関係にあったなら、クーリクの問題に気づけたはずではないかと問うと、苦渋の表情を浮かべて答えた。

「確かにおっしゃる通りなのかもしれません。ただ、正直に申すと、昔のクーリクの店舗は今よりもずっと汚かった。この十数年で店舗改装を繰り返してきたことで、店舗環境はよくなっている印象だったのです。店舗に社員を派遣したのも15年が最後で、営業マンが店舗に行ってもバックヤードを見る機会はありませんし。繁殖場の実態などは初めて知った次第で……」(同)

 報道をきっかけに内部調査に着手し、10月2日から「子犬・子猫の販売に関するトラブルの情報提供窓口」を設置、顧客への聞き取り調査を始めているとも語った。

「窓口には、10月6日までに7件のトラブル情報が寄せられました。ペットの健康状態に関するものが6件、残る1件はフード定期契約が解約できないという相談です。今後はこちらからお客様に連絡するなどし、さらに調査を拡大させていく予定です」(同)

質問状を送付

 クーリクに対しても9月20日、一連の報道内容への見解に関する“質問状”を送付し、回答を得ていることも明かした。しかし、その詳細については、

「取引先との個別のやり取りになりますので申し上げられません。ただ、動物愛護管理法や保険業法違反が疑われる重大な事案であると受け止めておりますので、クーリク社に対しては引き続き説明責任を果たすよう申し入れ、調査に協力してもらうつもりです」(同)

 継続中の代理店契約を見直しはしないのかとの質問には、

「法令違反の事実があるならば、是々非々の“非”の方で検討しなくてはいけないと考えています」(同)

 野田氏の発言はクーリクへの不信感を表しており、業界に与える影響は大きそうだ。クーリクは取材に文書で下記のように回答した。

「保険会社を切り替えた事実はありません。以前より2社とも代理店契約を締結させていただいております。トラブルも一切ございません。アニコム社の調査・確認にもご協力しております。(アニコムからの出向については)保険募集の品質向上、コンプライアンス体制強化に伴う加入促進、顧客満足度の向上といった観点から17年まで複数名受け入れておりました」

 アイペットにも取材をしたが、

「当社はクーリク社の営業姿勢についてお答えする立場にございませんので回答を差し控えさせていただきます。しかしながら、仮に取引先の事業の健全性に関わるような事象があり得る場合には、各社との対話や協議も踏まえ適切に対応を行なってまいります」

 との回答だった。

 10月12日発売の週刊新潮では、同時期に起業したクーリクとアニコムが約20年にわたり“二人三脚”で歩んできた歴史、両社が決裂した際に生じる法的問題などについて4ページの特集で詳報する。

「週刊新潮」2023年10月19日号

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2023年10月19日号掲載

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