クーアンドリク問題で新展開 ペット保険最大手「アニコム損害保険」社長がインタビューで“蜜月関係”を反省「徹底調査します」
ペット保険シェア1位の「アニコム損害保険」の野田真吾社長(47)が「週刊新潮」のインタビューで、杜撰な動物管理などが問題視されているペットショップ最大手「Coo&RIKU」(クーアンドリク)との関係について語った。野田氏は保険販売の委託先であるクーリクに世間の批判が高まっていることについて、「我々も反省すべきところは反省しなければならない」と述べ、独自に調査していく方針を明らかにした。
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「非常識が常識化していた」
週刊新潮とデイリー新潮は、今年8月にクーリクの店舗で購入されたばかりの子犬が立て続けにパルボウイルス症で亡くなったケースなど、同社が顧客と抱えている数々のトラブルや、同社がゴキブリだらけの繁殖場などで杜撰な動物管理をしている実態を報じてきた。クーリクは顧客トラブルのほとんどは解決済みとし、動物管理については「法令を遵守している」と反論している。
野田氏は一連の報道について、神妙な面持ちでこう語った。
「新潮社の報道を読んで痛感したのは“非常識が常識化していた”ということです。今年6月、損保業界では、大手4社が大手私鉄グループ企業との共同保険取引でカルテルを締結していた不祥事が発覚しました。我々ペット保険の業界でも、同じことが起きていたのではないかと考えました。クーリクの顧客の約7割が弊社の保険に加入していますので、クレームは我が社へ向けられたものでもあります。これを機会に自分たちも反省すべき点は反省しなければならないと身を引き締めているところです」
アニコムは、クーリクの全国に展開する200以上の店舗のうち約9割と代理店委託契約を締結。業界内で両社の“蜜月関係”は有名で、SNSではアニコムの責任を問う声が高まっていた。
32人の出向者も…「ビッグモーターのような関係」
元クーリク社員は、「まさにビッグモーターと同じ構図だった」と語る。
「クーリクが新規オープンすると、アニコムから多い時で1000万円単位の広告宣伝費が供与されることもあり、数人の社員が手伝いに駆り出されます。数年前まではクーリクの要請でアニコムから出向してくる社員もいて、中には店長まで任された社員もいた」(元クーリク社員)
ただ、ペット業界に詳しい関係者によれば、21年頃からクーリクは新規店舗の代理店契約を業界2位で生保大手「第一生命」系の「アイペット損害保険」に切り替えており、アニコムとはすでに距離が出来ていたという。
野田氏は、クーリクとの付き合いが始まったのは03年からで、出向者がいたこと、販促活動での協力、広告費の供与は事実だと認めた。
「出向者は過去32名おりました。期間は09年、さらに13〜17年までの4年間です。時期が飛んでいるのは、メインの代理店がアイペットさんになっている時期もあったからです。先方からの要望の要望もあって、弊社社員は主に店舗でスタッフに保険セールスの教育をしておりました。いずれも平均すると1人2カ月くらいの期間で、09年には店長代理をつとめた社員も1名おりました」(野田氏)
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