初デートの翌日、父親と共に夜逃げした初恋の人 42歳男性が喪失感を抱えたまま出会った妻と、後に判明するまさかの関係

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子どものころの話をしない妻

 彼が東京に戻り、その後、ふたりは結婚した。彼が29歳、里奈さんが27歳のときだった。里奈さんの両親は離婚して、彼女は母ひとり子ひとりで育ったということも結婚すると決まってから初めて知ったと隆平さんは言う。

「里奈は、子どものころの話をあまりしないんですよ。一度だけちょっと深く聞こうとしたら、『あんまりいい思い出がないしよく覚えてないの。高校くらいからはちゃんと覚えてるんだけど』と言われたことがある。それで僕も聞かないようにしていました。親が離婚していると彼女が告白したときも、別に両親が離婚していようが僕はかまわない、結婚するのは親じゃない、僕らなんだからと言ったら、彼女はうれしそうでした。ひとり親家庭で大変な思いをしたのかもしれないけど、負い目に感じることなどありませんからね」

 ふたりで婚姻届を書き、職場の同僚や友人たちなど、親しい人たちだけを招いてパーティを開いた。

後編【初恋の人と偶然再会、調子に乗って不倫関係を続けた末に… 42歳夫が巻き込まれた愛人の恐ろしすぎる復讐計画とは】へつづく

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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