【ジャニーズ会見】「売上4500億円」「ノーベル賞受賞者や元警官・軍人も社員に」 NG記者リストを作った「外資系コンサル」の正体

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FTIはどういう企業なのか

――FTIはどういう企業なのか。

「一部の報道ではPR会社と伝えられていますが、実際には金融や経営戦略からITや広報そして不正調査に至るまで、多くの部門を抱える『総合商社』のような巨大コンサルティング企業です。従業員は7800人、拠点は世界84ヵ所、2022年の売上額は30億ドル(約4504億円)で、ニューヨーク証券取引所に上場しています。社員にノーベル経済学賞受賞者がいるというのが定番の自慢ですね」

――FTIという名称の意味は。

「FTIの名称はもともとForensic Technologies Internationalの略です。フォレンジックというのは『法廷の』という意味で、『裁判の証拠となる鑑識』を指していましたが、今では広く、『不正の証拠調査』、『デジタル証拠の解析』といった意味も含めて使われています。そうした分野から出発した会社が世界中でM&Aを繰り返して、現在の巨大企業に成長した感じです」

FTIがなぜ記者会見を運営したのか

――具体的にはどういう仕事をするのか。

「例えば、私がいたのはグローバルリスク&インベスティゲーション部門というところですが、企業から依頼を受けて贈収賄やカルテルといった不正行為について調査します。アジア太平洋部門(APAC)のヘッドは香港にあったのですが、元ロイヤル香港ポリスとか、警察官や軍人、外交官やジャーナリスト出身者を主としたインテリジェンスのプロ連中が集まっていました。当時の日本法人は警察トップの子息が率いており、たいへん優秀でした。

 2020年にアマゾン創業者ジェフ・ベゾスのスマホが、サウジ皇太子のワッツアップ個人アカウントからハッキングされた事件がありましたが、そのフォレンジック調査を手掛けたのもFTIです」

――そのFTIがなぜ記者会見を運営したのか。

「FTIの中には戦略的コミュニケーションという広報部門がありますが、昔は日本法人にその部隊はいなかったと記憶しています。詳しくは知りませんが、今回ジャニーズ事務所から依頼を受けた日本法人が新たに、記者会見と危機管理を仕切るようになったのかもしれません」

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