メイドカフェの“キャバクラ化”に、“デート券”を販売するコスプレイヤー 過激さばかりが増す「オタク業界」の不都合な真実

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秋葉原で摘発が相次ぐ

 筆者は何軒かメイドカフェを訪問したが、ほとんどの店では、基本的にコーヒーを飲んで休憩する分には普通のカフェと変わらない。コーヒーを例に挙げれば、数百円高い程度である。ソフトドリンク飲み放題1800円などの価格設定も、高いとは感じつつも、まだ許容範囲と思う。

 だが、一部のメイドカフェでは目の前にメイドが次々とやってきては、言葉巧みに、高額なアルコールをオーダーするように“お願い”してきた。「え~っ、ご主人様、ドリンクだけではさみしいですよぉ~!」といった具合である。言われるがままにオーダーすると、会計は軽く1万円を超えた。しかも、滞在時間が少しでも延びると、その分、追加料金が発生する。なかなかよくできたシステムだと思った。

 秋葉原では、メイドカフェを装い、接待営業を行う店が問題視されている。2020年には、違法営業に関する110番通報が1100件に達したという。また、2021年5月には、無許可で接待営業を行ったとして、秋葉原でメイドカフェの経営者が逮捕されている。こうした状況を受け、2021年には千代田区が万世橋警察署や地元商店街などと連携を図り、「AKIBA安全・安心プロジェクト」を発足させた。

 しかし、今も秋葉原を歩いていると、メイド服を着た客引きに頻繁に出くわす。そのメイド服はというと、とてもメイドとはいえないような、際どいものばかりだ。しかも、ネット通販で格安で売られているか、もしくは風俗店でレンタルされていそうな、素人目に見ても安っぽくてペラペラな生地である。そんなメイドがいったいどのような接客をするのか。おそらく、想像通りの内容だろう。

 2023年3月29日には、秋葉原に店舗を構えるメイドカフェなどのコンセプトカフェでつくる団体「秋葉原コンセプトショップ協会」が集会を開き、警視庁の担当者から客引きのルールや法に触れる営業などについて解説を受けたという。業界でも違法営業を行う店を問題視していることが伺える。

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