朝ドラ「ブギウギ」開始でテレビマンが感じた不満 「朝ドラで何度も見た光景が…」
モデルは戦前生まれ
「スカーレット」のモデルとなった陶芸家の神山清子さんは1936年生まれ。
「まんぷく」はカップヌードルの生みの親・安藤百福氏(1910~2007)の妻・仁子さん(1917~2010)がモデルだった。
「わろてんか」のモデルとなった吉本興業の創業者・吉本せい(1889~1950)は少し時代が古いが、戦前から戦後までの人生は変わらない。
「べっぴんさん」はアパレルメーカーのファミリアを創業した坂野惇子さん(1918~2005)がモデルだった。揃いも揃って戦前生まれだ。
「初回冒頭、スター歌手となった鈴子が楽屋で赤ちゃんをあやすシーンには、『女手ひとつで子供を育てる未婚の母』とのナレーションが入りましたが、この子の父親は『わろてんか』の吉本せいの息子です。いくらBKの制作とはいえ、ここまで言葉や舞台や時代が被ってくると、朝ドラのファンといえど飽きちゃいますよね」
関西地区の初回の視聴率が14・7%とかなり低いのも、その現れなのか。
「もっとも、作品自体は悪くありません。脚本は昨年放送された仲野太賀が主演の『拾われた男 LOST MAN FOUND』(NHK BSプレミアム)で評判になった足立紳さん(51)で、14年公開の映画『百円の恋』では日本アカデミー賞の最優秀脚本賞も受賞しています。昭和初期の大阪の人情を丁寧に描いています。鈴子の子供時代を演じる澤井梨丘(12)はネットでも趣里にそっくりと話題になりましたが、連ドラ初出演とは思えぬほど度胸満点で、歌も演技も上手い。彼女の親友を演じる清水胡桃(13)の誠実な演技にも惹かれます。鈴子の母を演じる水川あさみ(40)もいいし、“アホのおっちゃん”こと岡部たかし(51)が『エルピス―希望、あるいは災い―』(フジテレビ/カンテレ制作)のプロデューサー役と同様、いい味を出しています」
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