「みかじめ料1300万円」「睡眠導入剤の影響でカタギを刺す」 3代目弘道会と夜の街をめぐる2つの事件

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司忍組長も

「昔は、何かトラブルがあれば、警察よりも先に用心棒代わりのヤクザが現場にやってくると言われたものですがね。今では警察の方も呼べばそれなりにすぐに来てくれるようですし、みかじめ料を支払っただけで罰せられるとなると飲食店側に払うメリットはほぼない。もっとも、グレーからブラック寄りのやり方をしている飲食店は警察を頼れないので、ヤクザと遠からぬ関係になっている面はありますね」(同)

 みかじめ料をめぐっては、6代目山口組の司忍組長と3代目高山組の酒井伸久事務局長を相手取って、愛知県内の男性が現金の返還など約1073万円の支払いを求めて提訴したことがあった。1審判決は司組長らに計47万円の支払いを命じたものの、男性側はなおも控訴中だ。

「約1073万円という額は11年にわたって支払った総額になります。1審では約600万円について司組長の使用者責任などを認定したものの、大半は時効が成立しており、それを除いた金額の支払いが認められました。男性側は恐怖が常態化し、長期化した結果、訴え出るまでに時間がかかったとして、時効の適用などに異議申し立てをし、控訴審で争っています」(先の記者)

麻布十番のバーであったこと

 一方、こちらも夜の街関連の事件、3代目弘道会が「1人で飲みに出歩くな」との通達を出すきっかけとなった一件についてはこれまで報じてきた通りだが、その詳細がさらに明らかになってきた。

 事件は9月5日の未明、東京・港区麻布十番のバーで発生した。3代目弘道会の小松数男舎弟が酒に酔って男性従業員の腹を刃物で刺し、軽傷を負わせた容疑などで逮捕されたのだった。

 小松舎弟の逮捕後すぐ、「1人で酒を飲みに出歩くな」「来客がある場合には本部に報告せよ」との通達が3代目弘道会本部から出たとされる。当初、カタギにケガをさせてしまった以上、小松舎弟は実刑を免れないとされたが、被害者との示談が成立し、傷害容疑では不起訴、銃刀法違反の容疑では罰金30万円となり、釈放されていた。
注目を集めたのは、カタギを刺したことに加え、「1人で酒を飲みに出歩くな」といった注意をヤクザが受けたという点であろう。
結局のところ、実際には何があったのか。

「この日、小松舎弟は睡眠導入剤を飲んで床についていたそうなのですが、電話での呼び出しを受け、このバーに出向いたそうです」(先の竹垣氏)

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