スマホなんていらない! 「日本一有名なネットニュース編集者」が“ガラケー”をこよなく愛する理由

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 2023年1月、「NTTドコモ モバイル社会研究所」が全国の15歳~79歳の男女6559名に調査した結果、スマホとガラケー所有者の内、スマホ比率が96.3%にのぼることが分かった。もはやガラケー所有者は“絶滅危惧種”といえる状況だ。しかも、保有者の多くは65歳以上の高齢者だろう。

あの人はそういう人だから

 となると、現役世代でガラケーを未だに使い続けるのはどんな人間なのか。私は2023年8月で50歳になったが、いまも2013年のガラケーを使い続けている。auは2022年3月末に3Gサービスを終了しており、ソフトバンク・ワイモバイルは2024年1月末に、NTTドコモも2026年3月に、事実上、ガラケーが使えなくなる。私はソフトバンクを使用しているため、あと4ヶ月で使えなくなるが、その時が来たら考えればいいわ、という適当なマインドでいる。

 これまでスマホがなくても困ることはまったくなかったし、収入はスマホを持っている一般的なフリーランスと遜色ない(というか、むしろ多い)状態にあり続けた。それどころか、昨年7月から10月までそのガラケーをなくしていた。電池が切れてしまったため、妻のスマホから家の中でかけてもらったものの、バイブ音がしないし、その日に行った店や乗車した友人の車からも見つからない。とはいえ、「まぁ、PCのメールもメッセンジャーもあるからいいか。とりあえず電話を止めてもらえばムダ金も払わないで済む」と割り切っていたら、いつの間にか3ヶ月が経過してしまい、ある日、掃除をしていたらベッドの下から出てきた。

 そこから再び使うようになったのだが、「電話をかけないし、受けない人」「LINEも使えない人」「すぐに仕事の返事ができない人」というポジションを得てしまうと、「まぁ、あの人はそういう人だから。でも締め切りは守るからいいか」程度の期待値で相手が接してくれるようになる。現在、電話番号を登録している人は60人程度だ。

戻ったらお返事します

 長らくネットニュース編集者を名乗り、デジタルPRの講師をやっていたこともあり、初対面の人にスマホを持っていないと伝えると毎度驚かれる。だが、実際こちらは2006年にこの仕事を開始してから17年、何も困らなかったのだ。ここからは、項目ごとに「困らないこと・むしろ利点」について挙げていく。

【常に連絡が来る状態ではなくなる】
 LINEグループに入ったりすると、頻繁にメッセージが来ると聞く。その中には「既読スルー」や「既読にならない」、「勝手にグループに入れられるため、自分と関係ない話が飛び交う」といったことが問題視される。これが“一切ない”のである。こちらはその会話に参加しないでいいため、彼らが決めたことに従うだけでいい。

【「今、メール(メッセージ)を送りましたが……」攻撃を受けない】
 ある時から、「今、メールを送りましたが……」という電話がかかるようになった。それに対しては「送りましたが……とはどういうことですか?」と聞く。「いや、見ていただけましたかね、返事をいただきたいのですが……」と控えめながらも慇懃無礼なことを言われるようになった。どうも、スマホを大多数が持つ時代になると「自分が送ったメールへの返事を30分以内に送らなくてはいけない」といったマイルールを押し付ける人が増えたのである。この時は「すいません、ガラケーなんで見られていません。戻ったらお返事します」で終了である。なぜ、そちらの都合に従う形で返事をしなくてはいけないのだ。

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