小野伸二引退 時代を先取りした“悲運の天才”、日本で評価が低いのはなぜか

スポーツ

  • ブックマーク

悲運の天才

 2002年日韓W杯でベスト16進出に貢献したものの、2006年ドイツW杯で中田英寿とともに“戦犯”扱いされたことも影響しているかもしれない。W杯で記憶に残るゴールがないこともその一因だろう。

 さらに、いまなら三笘薫や久保建英がゴールを決めればテレビのワイドショーが取り上げるし、YouTubeで簡単に繰り返し見ることができる。

 しかし、小野のオランダでの活躍を、当時は一般の人が目にする機会はほとんどなかった。時代を先取りした悲運の天才だったのかもしれない。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 4 次へ

[4/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。