アンタッチャブルは“貴重な存在” 「謹慎」と「バラ売り」を経て再ブレイクに至った納得の理由

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

コンビでの活動が増えている

 2001年に始まった漫才コンテスト「M-1グランプリ」は、いまや国民的な人気イベントとなった。そんな「M-1」でも初めの頃は、関西芸人の方が圧倒的に強かった。

 関西には古くから漫才文化があり、実力派の漫才師が多かったからだ。最初の3年で優勝した中川家、ますだおかだ、フットボールアワーはいずれも関西芸人だった。

 そんな関西優位のイメージを打ち破り、2004年に4代目チャンピオンとなったのが、山崎弘也と柴田英嗣の2人から成るアンタッチャブルだった。彼らは決勝の舞台で、パワフルでダイナミックな漫才を披露して爆笑をさらい、堂々の優勝を果たした。

 規格外の実力を見せつけた彼らは、そこから一気にスターダムを駆け上がり、テレビの人気者になった。しかし、柴田が不祥事で謹慎処分を受けてからは、コンビでテレビに出ることはなくなり、個々人での活動が中心になっていた。

 そんな彼らは2019年11月放送の「全力!脱力タイムズ」(フジテレビ)で久々の共演を果たし、コンビとしての活動を再開した。その後は、それぞれが活躍する一方で、コンビとしても徐々に仕事が増えていった。

 現在では「アンタッチャブるTV」(フジテレビ)と「証言者バラエティ アンタウォッチマン!」(テレビ朝日)の冠番組2本をはじめとして、コンビでのレギュラー番組も多い。このキャリアでコンビでの活動がここまで増えているのは珍しいことだ。

コンビの「バラ売り」はなぜ増えているのか

 一昔前までは、お笑いコンビはコンビ単位で活動することが一般的だった。しかし、ある時期から「バラ売り」が始まり、コンビの片方だけが単独でテレビに出ることの方が多くなっていった。

 それを象徴するのがウッチャンナンチャンである。彼らはある時期まではコンビとして数々のレギュラー番組を持っていた。しかし、最近では個々の活動がメインになっていて、共演する機会もほとんどなくなっている。

「バラ売り」が増えている理由の1つは、テレビの制作費が年々減っているからだろう。二人一組で呼ぶよりも、その番組の企画に合っている1人だけを呼ぶ方がコストを削減できる。番組の予算が限られている以上、それは合理的な判断であると言える。

 また、ベテラン芸人がMCを務めるようなバラエティ番組では、MCがツッコミ役を兼ねることになるので、コンビの中のボケ役の芸人だけがいればそこでやり取りが成立してしまう。そのため、コンビのツッコミ担当の側には声がかからなくなる。

次ページ:アンタッチャブルの至高のコンビ芸

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。