大流行の「私人逮捕動画」は法的にどこまで許される? 弁護士は「監禁罪や暴行罪などにあたる可能性」「緊急性がある時にのみ認められる」

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「監禁罪や逮捕罪、暴行罪にあたる可能性が」

 例えばコンサート会場の近くでチケットの転売を図る女性を捕まえては「ダフ屋行為は違反です」と言い募り警察に突き出そうとする。また駅のコンコースで女性をジロジロ見ていた男性を取り囲んでは「迷惑防止条例違反だ」「交番に行きましょう」と迫る。さらにはどこで聞きつけてきたのか、覚醒剤を所持するという男を追い詰めた挙句に担ぎ上げて警察に連れて行く。

 正義を振りかざしさえすれば、何でも許されると言わんばかりの行状で、中には相手の顔にモザイクもかけずに配信する者もいる。そして一部の視聴者が称賛を浴びせる。だが、この行為自体は合法なのだろうか。

「そもそも私人逮捕は緊急性を要する時にのみ認められる特別なもので、チケット転売がそれに当たるのか。取り囲めば監禁罪や逮捕罪になりますし、接触すれば暴行罪、ケガをさせれば傷害罪です。当然、誤認逮捕もあり得るわけで、名誉毀損の対象にもなります」(同)

 そのうち「私人逮捕」をしている人を私人逮捕する、といった光景も現れるのだろうか。

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