「増税クソメガネ」「増税クソレーシック」…憲政史上、最もみっともないあだ名を付けられた岸田首相 増税だけではない国民の怒りの中身とは

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「なったら総理」

 伊藤氏によると、歴代の首相は「なったら総理」と「なりたい総理」の2タイプに分類することが可能だという。

「『なったら総理』は、首相になる前から『総理になったら必ずこれをやる』と政策ビジョンを練り続けた政治家です。代表的人物としては、中曽根さん、小泉純一郎さん(81)、安倍晋三さん(1954~2022)といった方々が挙げられます。一方、『なりたい総理』は、総理になることだけが目標で、それが実現すると次の目標はありません。国家観や政策上の定見といった中心軸が存在しないのが特徴で、その代表は菅直人さん(76)と岸田さんでしょう」

 岸田首相にビジョンなど何もない。そのため「増税クソレーシック」と批判された理由は、増税に対する懸念だけではないという。

「『なりたい総理』は、実現を目指す改革案や政策を持ちません。そのため長期政権が目標という本末転倒の状態に陥ります。その象徴が9月に行われた内閣改造でした。来年9月に予定されている自民党総裁選で岸田さんが再選を果たすための改造であり、ライバルを封じ込めるのが最大の目的でした。国民の暮らしをよくするために人事を行ったわけではないのです。今の日本は物価高に苦しみ、見かけ上の所得が増えた人もいるでしょうが、全体として実質所得は減少を続けています。今後も岸田さんが国民の生活苦を直視しないのであれば、政権の支持率が回復することはないと思います」(同・伊藤氏)

大手メディアの責任

 伊藤氏は「全国紙など大手メディアの責任も重いと言わざるを得ません」と指摘する。

「岸田政権の問題点を指摘するどころか、解散風を煽る報道しか行っていません。今、衆議院を解散する必要がどこにあるのでしょうか。自民党の森山裕総務会長(78)は、減税を行うかどうかが解散の大義になるという見解を示しましたが、これに納得する有権者は少ないでしょう。全国紙は『今の社会状況で解散などあり得ない。岸田政権は国民の生活苦を解消する政策に注力すべき』と指摘しなければならないのに、明日にでも解散するかのような記事しか書いていません。これでは政治部ではなく政界部です。大手各紙は猛省が必要だと思います」

註:今日の視角=首相プレミアム(信濃毎日新聞:2021年9月9日夕刊)

デイリー新潮編集部

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