大谷翔平“執刀医”の気になる肩書き ナ・リーグ球団移籍に現実味の理由

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MVP表彰の舞台裏で

 大谷は残留するのか、それとも、ナ・リーグ球団に移籍か――日本のファンは固唾を飲んで彼の去就を見守っている。

 メジャーリーグもペナントレースの全日程を終了し、ポストシーズンマッチに進出する12チームや投打のタイトルホルダーが決定した。ア・リーグのホームラン王は大谷翔平(29)が獲得。現地メディアでは「9月の本塁打ゼロでタイトルを獲ったのは、74年のディック・アレン(ホワイトソックス/32本)以来」とも紹介されていたが、ウラを返せば、怪我さえなければ、確実に本塁打数を稼げたというわけだ。

 打者としては来季も活躍しそうだが、右肘の手術と9月上旬に痛めた右脇腹の怪我が、今後にどう影響してくるのかは不透明である。もっとも、大谷とエンゼルスの蜜月関係はもう終わっているのかもしれない。そんなことを思わせるシーンがいくつか見られた。

「大谷が本拠地・エンゼルスタジアムに姿を見せたのは、9月30日(現地時間)でした。試合前、チームのMVPの発表があり、大谷が表彰されました。トロフィーが渡されたんですが、左手で受け取りました。歓声に応じ、トロフィーを掲げたときも左手だけでした。アンダーシャツで隠していましたが、右腕はギプスをしていたんです。その後、ペリー・ミナシアンGM(43)とフィル・ネビン監督(52)と3人で記念撮影をしたのですが、米国のファンは『右腕を手術したのだから、代わりにトロフィーを持ってあげればいいのに』と批判的でした」(現地メディア関係者)

 撮影後も“意味深”だった。大谷はネビン監督のほうを向いてなにやら話し込んでいたが、ミナシアンGMには話し掛けていない。

「ネビン監督は今季限りでの退任が発表されましたが、ミナシアンGMが残留することに首を傾げる選手もいました。ネビン監督は選手たちから慕われていましたからね」(前出・同)

執刀医はドジャースのチームドクター

 大谷とエンゼルスの関係終焉を感じさせるシーンはこれだけではなかった。話は9月19日のレイズ戦まで遡る。試合前、ネビン監督は大谷の症状などを質問され、こう答えた。

「彼が今、何をしているのか分からない。本拠地に戻ってきたら合流すると言っていたけどね」

 時計は午後4時半をまわっていたという。しかし、それから約1時間後、アナハイムの球団事務所が各米メディアにリリースを送信した。内容は、「今日、大谷が手術を終えた」。試合後、タンパベイにいた記者たちはもう一度、同じ質問をするため、ネビン監督のもとに集まった。混乱を避けるため、ネビン監督が本当のことを言わなかったケースも考えられたが、第一声は「えっ?」だった。

「リリースの差出人は広報部長のアダム・チョズコ氏でした。後日、チョズコ氏に記者たちが話を聞き直したところ、同日の夕方に大谷の代理人であるネズ・バレロ氏から連絡があって、『今日、手術を終えた』と知らされたそうです。大谷が怪我でチームを離れたのは9月16日、すぐに治療に関する話し合いをし、エンゼルス側は代理人に『任せる』と伝えていたそうです」(米国人ライター)

 大谷側と球団の間で意思疎通がうまくいっていないことを伺わせる話だ。さらに、複数の米メディアによると、「大谷の執刀医」は18年に行った1回目のトミー・ジョン手術も担当したニール・エラトロッシュ医師だと言う。エラトロッシュ医師はロサンゼルス市にある「カーラン・ジョーブクリニック」の筆頭外科医で、トミー・ジョン手術の“元祖”とも言えるフランク・ジョーブ博士のもとで学んでいた。

「怪我を負ったNFLやNBAのスター選手を第一線に復帰させてきた名医です。その名医が『24年は打者復帰可能、25年には投手復帰できる』と言ったので、米国の野球ファンはひと安心でした」(前出・同)

 だが、エラトロッシュ医師にはナ・リーグのドジャースのチームドクター兼NFLラムズのチームドクターという別の肩書きもある。要請があれば、MLBの他球団選手も執刀するが、エンゼルスとの契約が満了する時期だけに、背後にドジャースの動きがありそうな気がしてならない。代理人のバレロ氏は大谷の去就について、「まだ結論は出ていない」と返すだけだが、フリーエージェントになって、エンゼルス以外の球団の条件も聞くというのが大方の予想である。

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