今呼ばずに、いつ呼ぶのか──森保ジャパンに大迫勇也が招集されない謎

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大迫をテストする機会を喪失

 その一方で、ポストワークもできて空中戦も強いオールラウンダーは上田綺世(フェイエノールト/オランダ)ただ1人。その上田も9月のドイツ戦で3カ月ぶりにゴールを決めたと思ったら、負傷でチームから離脱した。

 彼への期待が高すぎるのか、鹿島や昨シーズンまで所属したサークル・ブルージュ(オランダ)といったクラブチームと違い、森保ジャパンではコンスタントに実力を発揮しているとは思えない。

 現在も総合力で、大迫は上田に引けを取らないはずだ。今回は地元である神戸での試合だけに、伊東や久保、三笘らとどんなコンビネーションを見せるのか、楽しみにしていたのは神戸のファン・サポーターだけではないだろう。

 森保監督の当面の目標は11月16日と21日のW杯アジア2次予選であり、来年1月にスタートするアジアカップでのタイトル奪取になる。これらの試合で上田がフル稼働できるのかどうか。保険をかける意味でも、大迫を“代役”として使えるかどうか、今回はテストする絶好の機会だっただけに、残念な気がしてならない。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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