今呼ばずに、いつ呼ぶのか──森保ジャパンに大迫勇也が招集されない謎
南野拓実に集まる期待
会見で注目を集めたのは、やはりカタールW杯以来の復帰となる南野だ。森保監督は「直近の試合はプレーしていないが」と断った上で、「我々が新チームになって、ヨーロッパの選手たちのプレーをスカウティングしているなかで、非常に調子よく活躍している」とモナコでの好調を招集理由にあげた。
その上で起用するポジションは、「4-2-3-1であればトップ下がベース、トップもウイングもできる。カタールW杯では右外(サイドハーフ)でプレーしながら内側に入ってきた。4-1-4-1ならインサイドハーフにプラスしてトップでやってもらったこともある」と過去の起用法を説明した。
果たしてどこまでコンディションが戻っているのか。トップ下に起用された際は、久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)や三笘薫(ブライトン/イングランド)とどのようなハーモニーを奏でるのか。「見てみたい」と思うファン・サポーターも多いことだろう。今回は堂安が招集外となったため、「背番号10」はアディダスのスパイクを履く南野が着ける可能性が高い。こちらも注目を集めそうだ。
メンバー全体の印象としては、「変えていいところ」として、もっとチャレンジして欲しかったというのが正直なところだ。
これほど海外組で固める必要があったのか?
例えば、今回招集した3人のGKである。国内での2試合なのだから、ヨーロッパからの時差や長旅での疲労を考慮して前川と大迫敬介(広島)という2人の国内組を招集したのだろうし、若い鈴木は次世代を見越しての招集だろう。今シーズン、浦和からシント=トロイデンへ移籍したことで試合出場の機会をつかんだだけに、森保監督も期待を寄せていることがわかる。
ところが、フィールドプレーヤーは相変わらず海外組が中心で、国内組は伊藤敦樹(浦和)だけ。もう少し国内組を招集して欲しかったというのが本音だ。集客力や話題性、テレビの視聴率、スポンサーとの関係から、三笘や久保、板倉滉(ボルシアMG/ドイツ)、冨安健洋(アーセナル/イングランド)は外せない選手としても、ここまで海外組で固める必要があったのだろうか。
確かに、11月からW杯のアジア2次予選が始まる。ミャンマーかマカオの勝者との対戦は問題ないだろうが、アウェーのシリア戦は気が抜けないと森保監督も警戒しているかもしれない。それでも“旬の選手”、例えば神戸を初のリーグ優勝へと導こうとしている大迫勇也を、いま呼ばないでいつ呼べばいいと言うのだろうか。
日本は2列目のタレントが豊富だ。スピード系の選手も伊東純也(スタッド・ランス/フランス)を筆頭に、浅野拓磨(ボーフム/ドイツ)、前田大然(セルティック)と3人いる。
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