腹心コーチ押しつけで「原派」一掃に“暗雲” 阿部新監督(44)誕生で巨人、FA加藤貴、筒香獲りには“光明”

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日ハム加藤貴は阿部監督と同郷

 一方で全権監督だった原監督が去ったことは補強面でプラスに働きそうだ。近年は「巨人ブランド」が陰りを見せている上、原監督の強すぎる権限に、フリーエージェント(FA)権を持つ選手たちが巨人を敬遠していた。昨オフまで2年連続でFA選手の加入がなかった現状は打開できる可能性が生まれた。

「オーナーは現場とフロントの役割分担を明確にした。現場は日々の勝敗、フロントは後方支援という本来の形になる。阿部監督の人脈にも期待できるところはある」(前出の球団関係者)

 今オフはFA選手が豊作とされる。中でも昨オフに複数年契約を固辞し、単年契約を結んだ日本ハムの加藤貴之はソフトバンクなど複数球団による争奪戦が予想される。先発が補強ポイントの一つの巨人も調査を進めてきた好投手だ。

「原さんが監督のままならこのオフもFAは苦戦すると思っていた。慎之助になって(FA選手の)見方も変わるだろう。加藤は慎之助と同じ千葉出身で、接点はある。うちは獲得にいかないが、巨人には望みが出てきたのではないか」(セ・リーグ球団の編成担当)

 そして、阿部監督との関係性ゆえに、獲得の可能性が高いとみられているのが筒香嘉智である。現役時代に同じ左打者だった阿部監督に対し、筒香は強い敬意を抱いていた。今季はマイナーリーグでプレーし、米国ではメジャーに定着できないまま4年目を終えた。11月には32歳になる。NPB復帰へ機は熟したと言える。

筒香には「阪神・金本」の再来期待

 巨人とともに移籍候補に挙がるDeNA関係者は早くも白旗だ。

「うちはいつ帰ってきても受け入れる体勢があったが、これまでは本人のアメリカでプレーする意志が固かった。原さんが監督のままなら、うちと同じで巨人にも応じないと思っていた。ただ、阿部が誘うとなると、話は違ってくるのではないか。争奪戦になれば、勝てないだろう。2 人が深い関係にあるのは分かっている」

 巨人は丸佳浩が今季で5 年契約が切れ、退団の可能性がある。中田翔もFA宣言を検討しそうだ。さらに、坂本勇人がフル出場は望めないため、筒香は秋広優人とともに内外野、両方での起用が可能だ。

「アメリカでは厳しいマイナー生活を過ごし、メジャーを目指すことをやめなかった。ひた向きに野球に取り組む姿は他選手の手本となる。(03 年に)星野阪神にFA移籍した金本(知憲)のように、本当は厳しく指導したいが、我慢してきた慎之助にとっては自分が言わなくても、代わりにチームを締めてくれる選手になり得る。力は落ちていたとしても、チームに与える影響は大きいと思う」(前出の巨人の球団関係者)

 コーチ人事を適材適所とした上で、投打に戦力アップとなれば、内部昇格でどこをどう変えればいいかは熟知している阿部監督だけに、来季の巨人にはV字回復が期待できないわけではなさそうだ。

デイリー新潮編集部

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