ジャニーズ会見「NGリスト」入りでも「望月衣塑子」記者に同情が集まらない理由
加害を受けたというご記憶が
「NG」対象となっていたとされる望月記者は前回の会見で、数分にわたって持論を展開したうえで、東山紀之新社長に対し、《話していただきたいのは、東山さん自身がデビューする前にですね、ジャニーさんから、加害的なものを、他のメンバーを含めて、加害を受けたというご記憶があるのかないのか》と尋ねていた。性被害の告白を半ば強要するものとして相当な批判を浴びた。セカンドレイプまがいだ、というのだ。
そして今回は会見の終了が告げられた後、東山社長に対して過去の性加害の事実について尋ねるひと幕があった。
望月氏が「事実を向き合ったうえで新会社のトップに就任すべきではないでしょうか?」と問うと、東山社長は「僕は性加害はしていませんので」との回答。さらに望月氏が「性加害をしていないというのを貫くんですね」と重ねると、「貫くというか、本当のことを言ってるんです」と東山社長は返した。
「NGリストが存在したということで、そこにリストアップされていた望月氏らの言動に同情が集まる部分もあるかもしれません。が、過去2回の振舞いを見たりして感じたのは、会見に対する考え方を改めて吟味した方がよいのではないかという点です」
と話すのは、民放テレビ局の元幹部。企業や著名人のスキャンダル会見などに関与してきた経験を持つ。
会見をエンタメと見なし
「海外は別として、一般的に国内で不祥事を犯した企業やスキャンダルに巻き込まれた著名人が会見をする際、いつ・どこで・どんな風にやるのかの枠組みを決めるのは企業や著名人側です。ルールというほど厳格なものではないにしても、それを守ったうえでのやり取りをしなければ運営に支障をきたすことになります」(同)
今回でいえば「時間制限を設けるほうがおかしい」といった意見もあるが、「時間無制限」は現実的ではないのは間違いない。望月記者にマイクを握らせて1時間与えれば、他の多くの記者からは不満が出る。
「そもそも、民間企業ですから、会見をする義務は存在しないのです。書面のやり取りだけで済ませることもできる。それでも会見をする意図とは、贖罪なり説明責任を果たすなりして再出発していきたいという思いを伝えることでしょう。ある意味でこれも企業にとってはPR活動なのです。
一方で、メディア側と言うか特に民放側は会見を中継したうえで番組ごとにアナウンサーや記者を派遣し、彼らに質問させ、その箇所を番組で使うわけですね。会見をショーやエンタメだと見なし、コンテンツ化している」(同)
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