生田斗真、菊池風磨“CM直接契約”の衝撃…ジャニーズが立ち上げるエージェント会社は前途多難と言われる根拠

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エージェント会社特有の「穴」

 エージェント会社特有の問題もある。日本ではなじみが薄いエージェント会社だが、仕事を取ってきたり、仕事内容の打ち合わせをしたりする会社だ。マネージャーなどはタレント自身が雇う。

 通常の芸能事務所はテレビ局などから得た報酬のうち約7割を取り、残りをタレントの分とする。エージェント会社は逆。約7割がタレントで約3割が会社だ。タレントは実入りが増えるものの、その分、マネージャーや付き人などへの報酬を自分で払わなくてはならない。

 この形でこれまで通りに仕事が入り、何人か売れっ子が残ったら、新会社はやっていけると東山社長たちは踏んだのだろう。ところが、ジャニーズ事務所にとってショッキングな出来事が起きた。これまで推移を見守っていたP&Gが同事務所との契約を打ち切り、生田斗真(38)やSexy Zoneの菊池風磨(28)らとの直接契約に踏みきったのだ。

 なぜ、ショッキングなのか。まずP&Gは2日の東山社長らの会見も新会社発足も待たなかったからだ。同事務所を見限った。一方、生田と菊池はP&Gからの報酬の全てを受け取ることになった。果たして約3割取られてしまうエージェント会社にわざわざ入るだろうか。

 個人事務所でも仕事は取れる。仕事獲得を専門にフリーで活動している腕利きの人たちがいるからだ。手数料も3割は取られない。エージェント会社に入らなくても、やっていけるのだ。ただし、ジャニーズ事務所がこれまでのような“退所者への仕打ち”をしなかった場合である。

「滝沢氏は最初から全部見通していた」という説も

 紅白については、ジャニーズ勢から1組も選ばれないことが確定したと見ていい。会見での不実で決定的になった。世論が許さない。すると、また問題が生じる。

「ジャニーズ勢が昨年の6組からゼロになると、代わりを探すのは簡単ではない。紅白側は2016年に解散したSMAPの稲垣吾郎(49)、草なぎ剛(49)、香取慎吾(46)を出したいだろうが、3人にだって意地とプライドがあるから、まず断る。ジャニーズ勢のピンチヒッターとして穴埋め的に出場するというのは嫌だろう。なにより、事務所の代表を務める飯島三智氏(65)が出場させないはず」(前出の芸能事務所幹部)

 逆に、滝沢秀明氏(41)が率いる「TOBE」は組織もタレントも若く、新しく、チャレンジする時期なので、 打診されたら紅白にも出ると見られている。

 日本テレビ幹部はこう語る。

「ジャニーズ事務所を巡る動きは慌ただしく、ついていくのが大変だが、滝沢氏は最初から全部見通していたのではないか」(日本テレビ幹部)

 実のところ、この見方は以前から放送界と芸能界で根強い。滝沢氏が副社長を務めていた同事務所を見限り、辞任してから約1年。ジャニーズ帝国が崩壊の道を辿ったのもこの1年のことである。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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