生田斗真、菊池風磨“CM直接契約”の衝撃…ジャニーズが立ち上げるエージェント会社は前途多難と言われる根拠

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「協議の真っ最中」資金繰りの問題も大きい

 今後も問題が山積みだ。まず、資金繰り。東山社長と井ノ原副社長による2日の会見に同席した顧問弁護士の木目田裕氏(56)はこう語った。

「ファイナンスについては協議の真っ最中。きょうの時点(での詳細公開)はご容赦ください」(木目田裕氏)

 芸能事務所幹部によると、中規模以上の芸能事務所の資本金と運営費は最低でも10億円は必要。東山社長は新エージェント会社を1カ月以内に立ち上げるとしているが、資金調達が間に合うかどうかは微妙だ。「相当難しい」(芸能事務所幹部)という見方もある。

 別に意外ではない。同事務所に所属する約100人のタレントのうち、誰が新エージェント会社に移るのかが分からないためだ。それでは新会社の売り上げの見通しが立たないから、出資する側は二の足を踏む。

 嵐の櫻井翔(41)も新エージェント会社に移るかどうか検討中。櫻井はキャスターを務める日本テレビ「news zero」(月~木曜午後11時、金曜午後11時30分)の10月2日放送回にVTR出演し、「メンバーと相談しながら考えていけたらなぁと思っています」と語った。嵐はジャニーズ勢で屈指の人気者だ。その行く末が分からないと出資しにくい。

 別の芸能事務所社員は「7、8割のタレントはジャニーズ事務所から出ていく」と断言する。誰が出るか目星まで付いているという。

「ジャニーズ事務所のイメージが失墜した上、もうテレビ局からの特別扱いも期待できないのだから、大量に退所する」(芸能事務所社員)

タレントたちは東山社長と井ノ原副社長の言葉に従うか

 特別扱いとは何か。テレビ朝日「ミュージックステーション」(金曜午後9時)などの音楽番組に、ジャニーズ勢が優先的に出演できることは既に報じられている。一方、ほかの芸能事務所のボーイズアイドルグループにとっては狭き門だ。

 特別扱いはドラマにもある。例えばジャニーズ所属タレントが主演した夏ドラマで、ほかの出演者が口にするはずだったセリフを、ジャニーズタレントが言うことになってしまった。観る側に刺さりそうなセリフだったからだ。ジャニーズ側からの要望だった。こんな横暴がまかり通っていた。

 新エージェント会社への出資は本来、前社長の藤島ジュリー景子氏(57)が約1000億円の個人資産の中から出すか、融資を受けるための保証人になるかだろうが、ジュリー氏はその意思がないことを表明済み。

 現在もジャニーズ事務所の内情を知る元同事務所スタッフによると、ジュリー氏は9月7日の会見まで何から何まで自分1人で決めていたが、もう実務に携わっていない。10月4日付の本稿の通り、もう芸能ビジネスには携わらないだろう。

 すると、新たな問題が浮上する。創業者一族のジュリー氏には従順だったタレントたちが、東山社長と井ノ原副社長の言葉に従うとは限らない。ジュリー氏のお気に入りで、年長者というだけでトップとナンバー2になった2人に求心力はあるのか。未知数だ。

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