最年少17歳で受賞 「とにかく三島由紀夫が好き」スマホ入力で書き上げたZ世代の「美」の物語【新潮新人賞受賞者インタビュー】
【第55回新潮新人賞受賞】伊良刹那(いらせつな)
――新潮新人賞史上最年少、17歳(選考会当時)での受賞となりました。
受賞作の「海を覗く」は、高校2年生の美貌の青年・北条司と、彼にひかれる同級生の速水圭一らが織りなす群像劇ですが、観念論的な「美」についての会話が差し挟まれたりと、普通の青春小説とは随分異なる印象です。なぜこの小説を書こうと思われたのでしょうか。
とにかく三島由紀夫が好きで、あんな美しい文章を書いてみたいと思った、それにつきます。また、自分が美醜について、どう感じるのかを探りたい、言語化したいという思いもあったので、観念的な会話の部分は書いていても楽しかったです。...