警察に“家出少女”と間違われ、繁華街ではナンパの嵐…可愛すぎる「女装男子」の知られざる日常

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女装をしているとお酒が買いにくい

――女装を始めてから、以前には味わえなかった体験もたくさんされたのではないでしょうか。

さくら:コンビニやスーパーでお酒を買うときに、よく年齢確認されますね。身分証を出しても信じてもらえずに店長に尋問されて、「大人なんです! 大丈夫なんです!」と説明してようやくわかってもらったこともあります。僕はお酒が好きなのですが、女装をしているときは買いづらいし、補導されやすいですね。大きめのリュックを背負って移動していたときは“家出少女”に間違われたこともあります。僕が男だと言うと、警察官もびっくりしますね。僕も警察官を前にだいぶびびっていますけれど(笑)。

――さくらさんが男だと気づかず、男性から声を掛けられることはありませんか。

さくら:池袋に出ると、ほぼ毎回、10割の確率で声を掛けられます。怪しい人とか変なお兄さんから声を掛けられやすいかな。基本的にスルーするので相手がどんなことを言ったのかほとんど覚えていないのですが、「服を買ってあげるから遊ぼうよ」とおじさんに声をかけられたことは覚えています。一瞬揺らいじゃいましたけどね(笑)。僕はおじさんに好かれやすい傾向があるようです。

――そうなんですか(笑)。

さくら:実は、コロナ禍前までとある男の娘アイドルグループに所属していたんですよ。ライブやお渡し会をやっていて気付いたのですが、メンバーによってファンの属性が違っているんです。僕はかわいい系のポジションだったせいか、おじさんから好かれる。きれい目の方は女性からの人気も高かったですね。

女装をきっかけに人生が楽しくなった

――昨今、なぜ、こんなにかわいい女装男子が増えているのでしょう。

さくら:昔に比べて情報がたくさんあるし、イベントなどの機会も増えているので、女装をするハードルが下がったと感じます。Xの効果やインスタなどSNSの影響力も大きいでしょう。みんな、自分が着たい服を着て、自分の好きな格好をしはじめているんだなと思います。

――女装をするようになってから、交友関係も広がり、さくらさんの毎日は充実してそうですね。

さくら:もともとゲーム好きで、家でずっとゲームばかりやっているほどインドア系でした。女装やコスプレをするようになってから外出するようになりましたし、友達も増えました。家に籠もっていたら、そういうリアルなつながりはできなかっただろうなと思うと、女装をきっかけに人生が楽しくなったと感じています。

――今後はどんな活動をしていきたいとお考えですか。

さくら:メディアとかに少しずつ出られたらいいなと(笑)。男の娘アイドルはもうやらないと思いますが、ライブをやっているときにMCで鍛えられたので、トークイベント的なものにぜひ呼んでいただけたら。あ、もちろんアイドル活動を始める前は人前で話すなんて、大の苦手でしたよ。だから、女装を通じて、僕の内面も大きく変わったと思います。

山内貴範(やまうち・たかのり)
1985年、秋田県出身。「サライ」「ムー」など幅広い媒体で、建築、歴史、地方創生、科学技術などの取材・編集を行う。大学在学中に手掛けた秋田県羽後町のJAうご「美少女イラストあきたこまち」などの町おこし企画が大ヒットし、NHK「クローズアップ現代」ほか様々な番組で紹介された。商品開発やイベントの企画も多数手がけている。

デイリー新潮編集部

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