香港「有名インフルエンサー」のリッチ生活が突然崩壊 「日本」のキーワードも出てくる謎多き仮想通貨“詐欺”事件

国際

  • ブックマーク

運営者の“顔”が見えないまま続くJPEXの運営

 メディアを盛り上げたインフルエンサー2人も、肝心の“詐欺事件”では脇役のようだ。事件の主役であるJPEXの運営者は、運営本部の所在地と共に現在も不明である。

「JPEXの公式サイトによると運営本部はドバイですが、同国の仮想通貨規制庁(VARA)は『JPEXはVERAに登録されていない』と発表しました。明記されているオーストラリアでのライセンスも、SFCは『現在は確認できない』としています」(※オーストラリア証券投資委員会のサイトによると「JP-EX CRYPTO ASSET PLATFORM PTY LTD」は会社の閉鎖を手続き中)

 JPEXの公式サイトは現在も閲覧可能だ。10月4日にもプレスリリースが発行もされているが、そこに記載されたSNSアカウントは一部が閉鎖されている。一方、詐欺事件であると確信している香港警察は、香港からアクセスできないよう通信企業に通信の遮断を要請した。

「地元メディアは、JPEXのスマホアプリが香港の企業で制作されたことと、香港の別の仮想通貨取引所のウェブサイトがJPEXと酷似しており、同じAPIが使われていることを報じています」

 現在までの逮捕者はすべて香港人で、過去に別の投資詐欺事件に関わった人物も含まれていることから、「メイド・イン・ホンコン」の事件である可能性が否めない。

 9月29日の会見で香港警察は、「詐欺ネットワークの中核部分に踏み込んでいる」としながらも、捜査は「非常に大規模で複雑、そして困難」だと内情を明かした。さらに、関係者の一部はすでに香港から逃亡したという。とはいえ、仮想通貨取引の中心地を目指している金融都市・香港にとっては、プライドにかけても解決するしかない事件である。

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。