香港「有名インフルエンサー」のリッチ生活が突然崩壊 「日本」のキーワードも出てくる謎多き仮想通貨“詐欺”事件

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「日本が由来」と謳った広告看板が出現

 JPEXは「権力からの圧力」と反論して運営継続を宣言したが、口座からの出金が事実上できない状態に陥っている。SFCの発表後、1回1000米ドル相当の出金上限額に対する出金手数料が999米ドル相当(出金額の99.9%)に変更されるなどしたからだ。

 とはいえ、この怪しさは今に始まった話ではない。たとえば、香港の町中に現れた巨大な広告看板だ。

「この広告に『日本仮想通貨取引所(原文:日本加密貨幣交易所)』と書かれていたのです。香港は『メイド・イン・ジャパン』への評価と信頼性が高い土地ですから、良いイメージを与えることには成功したと思います」

 看板には「JAPAN EXCHANGE」の表記まであるが、日本金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」にJPEXは掲載されていない。今夏に台湾でプロモーションを行った際の写真と映像でも、「日本」の文字は確認できなかった。怪しむべきポイントは他にも多々ある。
昨年発表した「VISA提携カード」の発行はVISA側に全否定された。

 それでも利用者がいた理由の1つは、高い利益率をアピールし、自身のOTC取引所(実店舗とウェブサイト)も構えていたKOL(発言力を持つネット有名人)の影響力だ。初期の逮捕者はOTC取引所の関係者が中心だった。

「9月18日に逮捕された最初の8人に、有名KOLが含まれていました。英オックスフォード大学卒の元弁護士で、タレント業に進出していた林作(ジョセフ・ラム)と女性YouTuberの陳怡(チャン・イー)です。他のKOLも逮捕されていますが、最も知名度が高いのはジョセフ・ラムでしょう。弁護士資格を自ら放棄して保険業に転身し、テレビにも出演する一方、お騒がせ発言で物議を醸したことが複数回あります」

「詐欺共謀」の容疑で逮捕された2人は、高額の小切手や豪華なオフィス、口座開設時に優遇されるURLを公開するなどして、自身のOTC取引所とJPEXを熱く宣伝していた。

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