香港「有名インフルエンサー」のリッチ生活が突然崩壊 「日本」のキーワードも出てくる謎多き仮想通貨“詐欺”事件

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「車が買える」「家も買える」――仮想通貨(暗号資産)投資で儲かったと、豪華な邸宅や海の見えるオフィスで金持ち生活をひけらかしていたインフルエンサーたち。だが、ある日突然、すべてが崩壊した「JPEX事件」が香港を賑わせている。通報数2417件、被害総額15億香港ドル(約286億円)と発表されているが、謎の部分が多く真相解明は困難との見方も強い。「日本」というキーワードも登場するこの事件、一体どういう内容なのだろうか。

古典的なポンジ・スキームで被害拡大

 事件が表面化したのは9月13日、香港の金融庁にあたるSFCの声明発表がきっかけだった。現地の経済に詳しい人物はこう語る。

「仮想通貨取引所のJPEXについて、香港での運営に必要なライセンスが未取得であることと、『JPEXおよび香港の公衆にJPEXを積極的に宣伝する人々、(町中にある仮想通貨の)販売所が使う手法には疑わしい点が多数ある』ことを明言したのです。SFCは以前からJPEXを注視しており、昨夏には疑わしいサイトのリストに追加していました」

“詐欺事件”と断定した香港警察は、9月末までに18人を逮捕した。

「“詐欺事件”として見た場合は、最初に大きな利益を与えて安心させ、投資額を増加させるという古典的なポンジ・スキーム(投資詐欺の一種)です。ただし、ネット取引と仮想通貨という現代的な要素が加わったことで、金の流れなどが複雑化しています」

 JPEXは口座を開設した顧客にパスワードを提出させ、無断で資金を移動させていたという。独自通貨「JPC」も購入させていたが、香港警察に「ほとんど無価値」と断言された。

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