「バットで歯を折り…」「未成年に喫煙させ、“拡散されたくなかったらカネ貸せ”」 立教大学野球部で起きていた暴行、強要事件の真相
前歯の1本が半分ほど欠け…
こうしてますます歯止めが利かなくなった“主力”が起こしたのが、件の「歯折事件」だったという。
「6月初旬、室内練習場での練習後、“主力”を中心に何人かの上級生がバットで“遊び”を始めたんです」
その“遊び”とは、後輩を仰向けに寝転がらせた横で立てたバットを倒し、おでこで受け止めさせるというもの。今時小学生でも行わないような代物である。
「後輩何人かにやらせた後で、ターゲットの2年生が呼ばれた。すると倒した方向が悪かったのか、倒す力が強かったのか、バットのグリップが、口に向かって倒れたんです。後輩は“痛!”と大声を上げました」
この衝撃で、彼の前歯の一本が半分ほど欠けた。激痛が走ったのは想像に難くない。しかし、
「それを見て上級生たちは“何めそめそしてるんだよ”“女々しいんだよ”と笑っていました」
脅迫、強要
2年生がこの後、「部活をやめたい」と漏らしていたというのも当然か。これはれっきとした傷害事件である。
「実はこの前に、別の上級生による1年生への“喫煙脅迫”がありました」
とは、別の野球部関係者。
「その部員は10代でしたが、寮で3年生の部員二人に“吸っちゃえよ”と勧められ、タバコに手を出した。また、後に4年生二人にも促され、やはりタバコに手を出してしまったんです」
問題はここからだ。
4年生のうち一人はこの喫煙シーンを写真に撮っていた。そして、後輩にこう告げたのだという。
「お前、拡散されたくなかったら、カネ貸せよ」
今度は脅迫、強要である。
「1年生は恐怖を抱いたのか両親に相談した。で、彼の高校時代の野球部監督の知るところとなり、関係者を介して野球部に伝わった。部は慌てて当事者に事情を聞くことにしたんです」
その中で、先の「歯折事件」のことも明るみに出たのだという。
「その聴取を受けて6月下旬、部長を務める担当教授と監督が、部員に向けて緊急の説明会を開きました」
と関係者が続ける。
「加害者に厳しい処分が下されるとみな思っていた。しかし、喫煙させた上級生は練習サポート2~3週間で、一方、被害者の1年生も同じ処分でした。喫煙したとはいえ、被害者と加害者が同じ扱いではおかしいですよ」
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