ジャニーズ会見で賛否 異例の「拍手」をした記者が明かす「“いい加減にしろよ”という思いが…」
拍手をした記者が語る
会見に参加し、実際に拍手したジャーナリストB氏も次のように話す。
「2時間という限られた会見時間の終盤、明らかにまだ手を挙げているのに質問できていない記者が多かったにもかかわらず、一部の記者たちが自分たちのやりたいようにし始めた。その中で井ノ原さんがああした発言をした。私は会見場の後ろの方にいましたが、そこで拍手をしました。自分たちさえよければ、他の媒体、記者の邪魔をしていいのか、いい加減にしろよという思いがありました。僕が拍手をしたタイミングで、ほかの記者も拍手をしていました」
一部記者の不規則質問に対し、集まった記者たちがストレスを感じた別の理由もあったようだ。会場の前方にいた彼らは司会者に指名されて答えていないため、マイクを渡されておらず、後ろの記者には何を言っているか聞こえなかったのだ。
「僕は会見の後ろの方にいたんですけれど、何を言っているかわからなかったですね」(編集者A氏)
筆者自身は配信で会見を見ていたが、彼らの発言は何を言っているか聞き取れなかった。当然、テレビ局やネットを使い生配信しているメディアの人間にとってはストレスだろう。実際、あるキー局のYouTube配信には「よくわからない」と苦笑する声が入っている。
質問できて当然、の態度
この暴走していた記者たちは、会見で自分たちに質問が当てられなかったことへの不満を述べている。ただ、指名されていない中で飛ばされた質問では、その勢いにつられてか会見で東山氏は答えてもいる。逆に手を挙げても質問できない人間にとってはたまったものではない。
「周りの記者はあきれていましたね。150人くらいの記者が集まったとしても、質問なんてせいぜい十数人くらいができるもの。当然当たらないこともあるのに、俺を当てないのはおかしいといったような発言をするのはやっぱり変でしょう。会見は2時間でしたが、前半のプレゼンは40分くらいで、その後は質疑応答だから、個人的には時間を取っていた方だと思います」(雑誌編集者)
質問を当てられなかったと不満をもらした記者からは「私はトランプ大統領もオバマ大統領も首相会見もいろいろ出ている。こんなことはなかった」という発言も飛んでいたそうだが、ジャーナリストのB氏は、こうした態度も後の拍手につながったのではないかと推測する。
「会見の後ろの席には雑誌媒体の記者が多かったんですが、そうした『俺たちは大手メディアなんだ、質問できて当然なんだ』といった態度を非常に嫌がる。自分たちが会見上の主役であるというスタンスでは、それは周りの人はいい顔をしないですよね。それをなだめる人がいたら、それは拍手も出ます。そもそも記者は平等。だったら質問の機会も平等に回そうよ、ということだと思います」
一部ではあの拍手がメディアのジャニーズへの忖度、さらにジャニーズ側の仕込みではという説を唱える人もいることを聞くと、B氏は「仕込みだったらすごいですよ。あれは仕込めない(笑)。先ほども言いましたが、あの拍手は井ノ原さんの発言の内容よりも、ある程度の節度を持って取材をやるべきだというメッセージだと思います」と笑う。
結局、異例の拍手の裏にはジャニーズの大きな陰謀ではなく、ただ暴走する一部記者とそれに絶えかねたその他大勢の記者たちといういかにもな理由があった。
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