独立から6年 ジャニーズの窮地で、際立つ「新しい地図」の緻密な戦略 来年のイベントでサプライズ情報も
テレビ地上波も解禁へ
3人とも仕事の軸は俳優業で、映画・舞台などをメインにこなしていたが大きな風が吹く。19年7月、ジャニーズがテレビ局に対し、「新しい地図」の3人を出演させないよう圧力をかけた疑いがあるとして、公正取引委員会が独占禁止法違反の恐れがあったとしてジャニーズに注意処分を下したことをNHKが報じると、流れが変わることに。
それまでは地上波のドラマ出演は厳しいとみられていたが、まず、NHKが19年下半期の朝ドラ「スカーレット」に稲垣を起用。香取は21年1月期のテレビ東京系ドラマ「アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~」で5年ぶりの地上派連ドラ主演、草なぎは今年1月のフジテレビ系ドラマ「罠の戦争」で主演を務め、6年ぶりの民放キー局の連ドラ主演。そしてジャニーズ新体制発足会見と同じ10月2日からスタートした朝ドラ「ブギウギ」にも出演する。
「公取報道以後、特にNHKが3人を積極的に起用しました。すると徐々に他局も情報番組などで起用するようになったのです」(民放プロデューサー)
こうした“流れ”だけに頼ることなく、飯島氏の手腕は多方面で発揮されていた。
「ジャニーズはじめ大手のタレント事務所や代理店は、オリンピックの仕事を取りに行きたがるものですが 、3人は国際パラリンピック委員会(IPC)特別親善大使を務めています。その関係で、ジャニーズに最も忖度していたテレ朝も、パラ五輪のPRのために21年8月の看板情報番組『大下容子ワイド!スクランブル』に、香取を出演させることになったのです」(テレビ朝日関係者)
CMでも同様である。ジャニーズタレントをCMに起用していた各企業が続々と、契約解除や新規契約の見送りを発表している。わけても経済同友会の新浪剛史代表幹事(サントリーホールディングス社長)は、性加害を認めたジャニーズに対して厳しい意見を述べた。だが、「新しい地図」の3人は、サントリーグループの企業CMに起用されている。さらに、ネットを最大限に活用しているとあって、フリマアプリ「メルカリ」、ネットショップ作成サービス「BASE」などのネット系、育毛剤「ミノキ 」、エリエールの大人用おむつ「アテント」など、ジャニーズタレントがあまり出演しそうにないCMに出ることで、存在感をキープすることに成功した。
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