【ジャニーズ再会見】ファンクラブを特別扱いは世間の理解を得られるか 新しいエージェント会社も問題山積

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ファンクラブ重視は正しいのか

 その上、東山たちは今回もミスを犯した。新エージェント会社の社名をファンクラブ内で公募するとしたことである。「ファンと共に歩むから」としているが、反発を招きかねない。

「ジャニー氏の性加害問題で不快な思いをしたのはファンばかりではない。また、ジャニーズ勢の出るドラマや音楽番組は一般の人も観る。わざわざファンクラブに限定した理由が分からない。ジャニーズ側と世間に壁をつくりかねない」(前出・民放幹部)

 それほどファンクラブを特別扱いしたいのだろうか。ファンクラブは「嵐」、「Snow Man」などグループや個人ごとに存在し、その総数は約1300万人。年会費は4000円だから、売り上げは年約520億円になる。

 ファンクラブの担当社員は6、7人程度で、大半の業務は印刷会社の子会社に委託しているから、利益率が高い。東山はこれを新エージェント会社に移行させるつもりに違いない。強力な支援組織になる一方で、太い資金源となる。

 もっとも、約1300万人はもちろん実数ではない。「嵐」と「Snow Man」、木村拓哉など重複して会員になっているファンが多い。実数は半分以下と見られる。

 また、これから退所者が相次ぐと見られるが、その分、会員も減る。11月末に退所する岡田准一(42)は4万8000人だ。退所の動きが水面下で見え隠れする「嵐」が出ていくと、会員は300万人も減る。

 問題はまだある。新しいエージェント会社の中身だ。エージェント会社とは、タレントの代わりにテレビ局や広告代理店と営業や交渉を行い、ほかのことはタレント側が行うというもの。エージェント会社のスタッフがジャニーズ事務所から移り、やり方も従来通りだったら、忖度はなくならない。

 各局のジャニーズ事務所担当者は、ここに来て急速に力を奪われている。新エージェント会社が中身まで新しかったら、テレビは様変わりする。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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