【ジャニーズ再会見】ファンクラブを特別扱いは世間の理解を得られるか 新しいエージェント会社も問題山積

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遅すぎた東山の改革宣言

 一方、会見で改革案を発表した時の東山は、心なしか安堵したような表情だった。社名を変更せず、ジュリー氏が代表取締役社長から代表取締役になっただけの9月7日の会見は大顰蹙を買ったが、今度は大丈夫という思いだったのだろう。

 もっとも、ジャニーズ勢をCMに起用してきた企業は冷ややかなのだという。広告代理店社員によると「企業がジャニーズ事務所との関係を直ちに見直す動きはない」という。なぜ、企業は社名変更と会社の分社化でも動かないのか。

「実のところ企業側は性加害問題の発覚当初、CM契約の見直しまでは考えてなかった。ジャニーズ事務所内には大手広告代理店の出身者もいるから、何がCMにとってマズイか熟知していると思っていた。ところが、前回の会見は最悪。あきれるくらいに信頼を裏切られた」(同・広告代理店社員)

 8月29日に「外部専門家による再発防止特別チーム」の調査結果が発表され、ジャニー氏による悪質極まりない性加害の実態が分かったものの、企業側はジャニーズ事務所が同チームの示した改革案に従ったら、タレントとの契約を継続するつもりだったのだ。

 同チームの提言はジュリー氏の代表取締役社長の辞任と同族経営の弊害の防止。そんなに高いハードルではなかった。だが、提言は実行されなかった。これにより、企業は同事務所を見限った。

「企業は今回の改革案の行方を少なくとも半年から1年は見る。その上で再契約を考える。改革案が実行されるのかどうか分からないのですから」(同・広告代理店社員)

CMもテレビもすぐに元通りとはならない

 企業側が改革案の行方を見守ってくれるなら、まだいい。2021年からTOKIOをCMに起用していたネスレ日本「ネスカフェ」は9月末から北村匠海(25)と岸井ゆきの(31)のCMを流している。TOKIOが同社のCMに戻るのは難しいだろう

 アフラック生命保険は同事務所との契約を解除し、「嵐」の櫻井翔(41)によるCMを打ち切った。同時に「櫻井さん個人との契約を含め、複数の選択肢を検討しています」とコメントしていたが、今では吉沢亮(29)のCMを流している。こちらも櫻井が戻るのは容易ではないだろう。前回の会見から約1カ月。ほかのタレントのCMも後任が次々と決まるはずだ。

 会見では触れられなかったが、CM中止の違約金の問題もある。流せなくなったCM枠をジャニーズ事務所が補償しなくてはならない。一般的にタレントが不祥事を起こすとCMの違約金が発生し、それは芸能事務所が起こした場合も同じである。

 ジャニーズ勢のテレビ出演も先になる。日本テレビは同日、「所属タレントの新規の起用については、本日表明された対策が確実に実施されているか見極め、適切に判断してまいります」とコメントした。他局も同様だ。NHKも慎重な姿勢を崩さない。改革案を示そうが、CMもテレビもすぐに元通りとはならない。

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