「パワハラ気質で、あだ名は“荒波”」 ジャニーズ批判で注目のサントリーHD・新浪社長の素顔を周囲が明かす「お気に入りの女性社員を秘書にして結婚したことも」

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同族企業にとって「理想のサラリーマン経営者」

 新浪氏がローソンの社長に就いたのは02年。立て直しに成功した後の14年には、請われてサントリーの社長に就任した。

「サントリーは典型的な同族企業で、創業家が4代目まで社長を務めた後、5代目として新浪氏に白羽の矢が立ったわけです。株主である創業家が力を持っているこういう企業の社長は普通はやりたくないと考える人が多いものですが、彼は“大企業病にかかっているサントリーを立て直せるのは自分しかいない”ということで乗り込んでいくのです」

 そう話す田代氏によると、新浪氏はサントリーのような同族企業にとって「理想のサラリーマン経営者」だという。

「彼が社長になってからサントリーの高級ウイスキーが世界的ブランドになるなど、非常に成功しているといえます。しかし、彼には会社の株を集めて乗っ取るような野心はなく、創業家の次期社長候補もきちんと育ててくれる。創業家にとっては、会社を立て直してくれるけど乗っ取られる危険がない、最高の人材です」

 世間では批判を浴びた「45歳定年制」も大企業の創業家側から見ると、

「“よくぞ言ってくれた”という感じでしょうね。創業家からすれば会社にしがみついて定年までいることしか考えていないくせに給料が高い45歳以上の人材なんていらない、出て行ってほしい、というのが本音ですからね。ただ、それを言うと批判を浴びることを分かっているので普通の人は言わない。しかし新浪氏は創業家の意向を忖度して、自分が悪役になってあえて発言するのです」

パフォーマーとしての影響力

 全国紙の経済部記者はこんな見方。

「新浪さんはゼロからイチを生み出すのではなく、誰かが発明したものを拡声器で宣伝するのがうまい人、という印象です。実際、45歳定年制にしても、元々は東大の教授が言っていたことの改変で、新浪さんのオリジナルではありません」

 経済財政諮問会議における議論でも同様の側面が見られるといい、

「例えば安倍晋三元首相はリフレ派で、金融政策をこうするんだ、という信念がありました。しかし、新浪さんにはそういう意思はない。諮問会議の議題の資料は官僚が作成していますが、彼ら事務方が主張してほしいと考えていることをうまく言うのが新浪さん。だから役人に重宝されるのです」

 新浪氏の発言は強い信念から発せられているものではなく、周りの「空気を読んで」ということなのか。

「ジャニーズへの発言にしても、企業が明言するのが難しい局面で、新浪さんがパッと意思表示したら決断しやすくなる。じゃあウチも、と。この状況でジャニーズのタレントを使うことは人権意識の強い海外の常識からみるとまずいんじゃないかという議論は元々ありましたが、新浪さんが発言したことで他の企業も追随した。パフォーマーとしての影響力は甚大です」(同)

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