自分の価値観を全否定されて号泣、脳梗塞で入院した義母にありえない陰口… 41歳夫が妻に感じる人間性への疑問
「家族3人でいてもやることないもんね」
義妹を振り切って帰宅した晋さんは、玄関を開けるなり希代子さんに殴られた。娘の目の前でだ。やめろと言ったが、希代子さんは暴れ、娘は泣き叫んだ。
「地獄でした。義妹から希代子に連絡がいったんでしょう。いっそ僕も倒れてしまいたかったけど、娘のことが気になって。義妹とは何もない、義妹が嘘をついているんだと言ったけど、妻は聞く耳をもたない。とうとう娘を連れて実家に逃げました」
その後、リハビリを経て退院してきた母と、今も現役で働いている父のところで、彼は娘と暮らしている。希代子さんはときどきやって来ては、娘に「今日はおかあさんのところで寝ようか」と誘っているが、娘は「こっちがいい」と言い張る。
「愛情があるのかないのかわからないけど、希代子は娘を諦めようとはしないんですよ。離婚したほうがいいと思う。でも希代子は、『離婚はしない』の一点張り。どこか下に見ている妹と同じになりたくないと感じているのかもしれません。僕も臆病なので、妻を刺激したくないのが先に立って、強硬な手は使いたくない。それに、僕の心のどこかで妻に未練があるような気がするんです」
義妹との関係があったのかどうか、今も晋さんには判然としない。義妹は希代子さんとは顔を合わせないまま、どこかへ行ってしまったようだ。
「姉妹ふたりとも、わけがわからない。あまりにも自分の常識からはずれた人たちと一緒にいると、本当にこっちまでおかしくなる。ただ、別居してみたら、希代子も少しは思うところがあったのか、僕や娘に以前より関心を寄せるようになりました。それでも長い時間を一緒に過ごすことはほとんどありません。『家族3人でいてもやることないもんね』と、希代子がつぶやいたことがあるんです。彼女にとって家族とは、そういうものだったんでしょう。今は、仕事に没頭できる環境にあるから楽しいんじゃないでしょうか」
晋さんは娘を溺愛している。娘のためなら、いつでも仕事をセーブするつもりだ。両親も愛情を注いでくれている。母に毒された希代子さんが、今度は娘を毒さないよう見守っていくしかないと彼は静かに言った。
前編【「彼女は恋愛が面倒だったんでしょう」 自分に有益なことしかしないエリート女性と結婚した41歳夫の苦】からのつづき
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