「エッフェル姉さん」「ドリル優子」だけじゃない、秀逸すぎる“政治家のあだ名”を振り返る

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次々に生まれるあだ名

 政治家のあだ名といえば、あまりにも舌鋒鋭いことから故・後藤田正晴氏が「カミソリ後藤田」と呼ばれたのをはじめ、小沢一郎氏が「剛腕」、吉田茂氏が「和製チャーチル」、岸信介氏が「昭和の妖怪」など、ホメたり、畏怖の念を滲ませるものもある。

 だが、その多くは、政治家としての資質が疑われたり、不祥事を起こしたりした際につけられてきたように思われる。大平正芳氏は国会答弁等で「あーうー」と前置きすることから「あーうー宰相」と揶揄された。愛人に指を3本出して月30万円での契約を打診したことがバレて、わずか69日で総理の職を辞した宇野宗佑氏は「指三本」や「無能助べえ」などと呼ばれた。

 ここ最近も、自民党の議員に次々とあだ名がつけられているのはご承知の通りだ。地元・福島が台風で被災しているにもかかわらず、娘とNY豪華100万円ツアーに参加した森まさこ氏は、ブライダル業界への補助金事業の成果についてSNSに書き込んだことが批判され、「ブライダルまさこ」のあだ名をつけられた。

 この前段として、自民党の女性局員38人が参加したフランス視察(つーか旅行)に参加した松川るい氏は、他の議員2人とともにエッフェル塔前で両腕を上げ、頭の上で手を合わせるポーズをSNS上に公開。視察というよりは血税を使っての“観光旅行”と捉えられ、多くの人を激怒させたことで「エッフェル姉さん」と呼ばれることに。しかも、娘も同伴し、大使館員に面倒を見させていたという。そんな松川氏には、ギロチンで処刑されたルイ16世にかけ「松川ルイ16世」というあだ名も。

トリンドリル

 そして、ここに来て、かつてのあだ名を蒸し返されたのが小渕優子氏だ。その名も「ドリル優子」である。9月13日の内閣改造で選対委員長に選出されたことから、2015年の“騒動”が再浮上したのだ。当時、小渕氏の政治団体は、支援者のために東京・明治座の観劇ツアーを組むなどしたが、そこで不適切な会計を行っていた。虚偽記載の総額は3億2000万円に上り、政治資金規正法違反容疑で秘書が逮捕。それに先立ち、会計書類が保存されたパソコンのHDDを秘書がドリルで破壊し、証拠隠滅を図ったのである。これにより小渕氏は経産相を辞任。当時のネットでは「ドリル優子」をめぐり、ダジャレを次々と繰り出す大喜利のような光景が展開されていた。私の印象に深く残っているのは、当時人気だったトリンドル玲奈にかけた「トリンドリル優子」である。

 また、2016年に「長靴大臣」が登場したのを覚えているだろうか。務台俊介内閣府政務官が、台風の被災地を視察に行ったものの、長靴をはいていなかったため水たまりを通過することから役人に背負ってもらう姿が「エラソーだ!」と猛烈に批判された。その後、自身のパーティーのスピーチではこの件をネタにして「長靴業界は儲かったのではないか」と失言し、辞任に至った。

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