ジャニーズ事務所の顧問になったNHK元理事(62)の評判 「どうする家康」のキャスティングにも影響力
エリート街道を驀進
若泉氏は東京都立青山高等学校から東京大学法学部に進み、1984年に入局。学歴エリートぞろいのNHKでも東大法卒は少数派で、最初から幹部候補生と目されていた。初任地は沖縄放送局。同放送局で4年過ごした後は、ほぼ一貫してドラマ制作畑を歩いた。
故・緒形拳さん主演の「百年の男」(1995年)を演出し、文化庁芸術作品賞受賞などドラマ各賞を総ナメにした。演出家として敏腕だった。また、プロデューサーに転じた後も、池脇千鶴(41)主演のヒット作、連続テレビ小説「ほんまもん」(2001年)などの制作統括を務めた。
一方で、元TOKIOの山口達也(51)と元関ジャニ∞の錦戸亮(38)が出演した「かるたクイーン」(2003年)や、元TOKIOの国分太一(49)が主演した「トキオ 父への伝言」(2004年)の制作統括を担当した。このころからジャニーズ事務所が接近してきたのか。
その後、若泉氏は上級幹部になり、番組全般のキャスティングに影響力を持つようになった。「嵐」の松本潤(40)が主演中の大河ドラマ「どうする家康」の制作が局内で決まった2020年には、制作全般を統括する理事を務めていた。
「『どうする家康』のキャスティングについては『若泉さんの意向が含まれている』というのが多くの芸能関係者の共通認識」(前出・芸能事務所幹部)
同じく若泉氏が制作統括の理事だった2020年の「紅白歌合戦」には、ジャニーズ勢が7組出場した。やはり制作統括理事だった翌2021年は5組、制作局長だった2015年は同7組、同2016年は6組だった。
「若泉さんが出場者選考にどの程度、関与しているかは分からないが、立場上、無関係ではなかっただろう」(同・芸能事務所幹部)
やはり、誤解を招かないためにもNHKは“事実上の天下り”についての規定を設けたほうがいいかも知れない。
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