ジャニーズ事務所の顧問になったNHK元理事(62)の評判 「どうする家康」のキャスティングにも影響力
ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏による性加害問題の余波が拡大する中、NHKは同事務所のタレントに対する新規の出演依頼を当面行わないことを決めた。大みそかの「NHK紅白歌合戦」への起用もゼロになる見通し。同局にはほかにも課題がある。元理事の若泉久朗氏(62)が同事務所の顧問になった件についての説明だ。
前例のなかった理事の芸能事務所入り
意外に思われる方もいるだろうが、NHKは政府から独立した公共放送事業体(特殊法人)なので、国家公務員やそのOBと違い、天下り規制はない。再就職先は自由に選べる。
ただし、民間企業の役員に当たる元理事が芸能事務所に再就職した前例はない。若泉氏は2020年4月に理事になり、昨年4月に退任すると、ジャニーズ事務所の顧問になった。
同事務所側が就任を要請した。若泉氏は同時にKADOKAWAの執行役員に就いた。
「在職中に仕事上の付き合いのあった芸能事務所へ移るのは、事実上の天下り。これが横行するようになると、再就職が在職中の論功行賞のようになってしまう恐れがある。また、芸能事務所に再就職した後、後輩たちに所属タレントの特別扱いを依頼するOBが出てくるかも知れない。NHKは再就職についてのルールを設けるべきではないか」(芸能事務所幹部)
「性加害が社会問題化した後も局に来ていた」
NHK「クローズアップ現代」は「“ジャニーズ性加害”とメディア 被害にどう向き合うのか」(9月11日放送)と題した特集を組み、若泉氏に性加害問題についての見解を求めた。しかし回答はなかった。それを踏まえた上で、後輩のNHK制作者はこう語る。
「若泉さんは(BBCの報道によって)性加害が社会問題化した後も局に来ていたそうです。ジャニーズ側の人になっていたのだから、ちょっと疑問でした」(NHK制作者)
このNHK制作者は「芸能事務所への再就職はすべきではないと思う」としつつ、ジャニーズ事務所の姿勢を強く非難する。
「若泉さんは親分肌。頼まれたら、嫌とは言えないタイプ。芸能事務所が元理事に顧問就任を要請するなんて、常識では考えられません。若泉さんに迷惑が掛かるかもしれないと思わなかったのか」(同・NHK制作者)
実際、迷惑は掛かった。性加害が社会問題化すると、若林氏は対応に追われた。若泉氏を知るTBSのドラマ制作者はこう語る。
「若泉さんは陽性で豪気。人を惹き付けるタイプで、民放からも芸能事務所からも好かれていた。私も彼が好きですが、芸能事務所へ移られたのは意外でした。民放でもまずない。一般論として、退職を控えた人間が芸能事務所への移籍を意識して仕事をするようになったら弊害があるだろうし、芸能事務所側が古巣への影響力を期待したら、それも良いことではない」(TBSのドラマ制作者)
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