「アントニオ猪木さん」没後1年 失業危機!?「モノマネ芸人」現在の仕事量と、解禁された“燃える闘魂”カリスマ秘話
「とうとうお別れの日が来てしまった」
昭和を代表するカリスマのひとり、アントニオ猪木さん(享年79)が亡くなって1年。猪木さんといえば現役時代は熱狂的なファンを数多く抱えていたが、その威光は死後も衰えていないのか、衰えてしまったのか? 最も影響が出ていそうな2人、猪木モノマネの代表選手・アントニオ小猪木(以下、「小猪木」)と、アントキの猪木(以下、「アントキの」)に話を聞いた。仕事への影響は?【華川富士也/ライター】
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2人にとって猪木さんは、安定的な仕事と収入を与えてくれた恩人。それ以上に尊敬する“師”でもある。亡くなった当日、どんなことを考えたか?
アントニオ小猪木:「ジョギング中に妻からのメッセージで知りました。とうとうお別れの日が来てしまった、せめて80歳までは生きて欲しかったと思いました。弱っていく猪木さんの姿がYouTubeにアップされて、もう本当に危ないというのが2回ぐらいありましたから、覚悟はできていました。所属する西口プロレスのイベントで追悼の10カウントゴングをやりたい、許可を取らなければと考えていました」
アントキの猪木:「午前10時過ぎぐらいに、確か速報で知ったのかな。そこから14時ぐらいまでの記憶があまり無いんです。お腹がグーっとなって、“腹が減ったなぁ。あ、この後、予定があるんだ”とやっと正気に戻った感じで。猪木さんとの思い出や、亡くなる少し前、ある方にお見舞いに行こうと誘われて、断ったことなど考えていました。お見舞いに行って自分と会っても、猪木さんには何の得もない。それに自分は弱った猪木さんに会ってはいけないと考えていたんですが、あの時に行っておけば良かったなと」
アントキのは、自身に大量に送られてきた“お悔やみ”メッセージに困惑し通しだったという。「『ご愁傷様』みたいなのがたくさん来て、なんて返したらいいか分からなかったです」。
小猪木にもお悔やみメッセージが大量に届いたというが、こちらは「小猪木=猪木愛というイメージがあるからだと思い、無視はできないので時間をかけて返信しました」。
“本人に会えないなら、モノマネの人を呼ぼう”
さて本題――。猪木さんが亡くなって1年。気になるのは仕事への影響だ。大物タレントあってのモノマネ芸。その大物が亡くなってしまっては、仕事が減るなど大きな影響が出たのではないか?
アントニオ小猪木:「コロナが明けたのもあって、だいぶ戻ってきました。コロナ前の一番忙しい時期に比べるとちょっと足りないですが、この8月はお祭りやパーティに呼んでいただいたり、めちゃくちゃ忙しかったです。特に、コロナ禍で開催できず、今年になって復活したお祭りにたくさん呼んでいただけたのは嬉しかったです」
アントキの猪木:「猪木さんがらみの仕事、増えました。営業も増えていますし、先日、スーパーのベルクさんが『アントニオ猪木生誕80周年記念』のフードを出して、その試食会に呼んでいただいたんです。小猪木さんも一緒でした。これは、以前はなかったタイプの仕事です」
なんと2人揃って仕事が増えていた。その理由を小猪木はこう分析する。
「1年経っても猪木さんの人気が衰えていない上に、“本人に会えないなら、モノマネの人を呼ぼう”と声をかけてくださるんです。そういうお話はよく聞きました」
さすが昭和のカリスマの一人というべきか。人気は死後も続いていた。
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