2年連続Bクラスの巨人 「結果が全てだ。原監督は潔く辞めた方がいい」【柴田勲のセブンアイズ】

  • ブックマーク

打者は基本ができていない

 25、26日のDeNA戦(横浜)で、0対1で連敗した。26日の試合終了後、原監督は本塁が遠かったことについて、「点取りゲームだからね。何かが足りないんでしょうね。このチームには」とコメントしていた。

 考えるに、例えば打者だ。2ストライクに追い込まれる前までは、どんな球を打ったら安打になる確率が高いかを頭に入れて打席に立つ必要がある。ボール球を振らないのは基本中の基本だ。

 巨人の打者たちにはそれができていない。簡単にボール球に手を出す。相手投手を助けている。難しい球を振る。点の取り方が下手な上に、基本を忘れている。心構えがなっていない。

 巨人の得点は大半が本塁打によるものだ。大味である。でも、いい投手にかかるとそうは打てない。DeNAの投手陣は一発を警戒して巨人の打者に対応していた。

 得点にはチャンスでの犠飛、ゴロで走者をかえす、送りバントやヒットエンドランなどのプレーが必要になるが、これがいざ肝心な場面になるとできない。

 岡田監督が率いる阪神には原監督が言う「何か」ができていたと思う。阪神の四球数は484個、巨人は353個、阪神の打者たちがいかに相手投手を見極めていたかだ。

 好球必打。ボール球に手を出さない。得点圏打率が高い。本塁打数は巨人よりもかなり少ないが、得点数は巨人の上だ。

「何か」が決定的に欠けてる

 投手陣にしても阪神のチーム防御率は2.61で巨人は3.47だ。巨人はいいボールを持つ投手が多くいるが、コントロールが悪過ぎるのだ。何度も指摘してきたが、投球の基本は外角低めへの真っすぐだ。

 ここに投げられてこそ、カーブ、スライダー、フォークなどの変化球も生きてくる。外角低めの球を捉えるためにはいい打撃フォーム、しっかりとした構え、振りが必要だ。変化球は多少フォームが崩れても、泳いでも捉えることができる。

 これを忘れてどんな球を投げようかとばかり思って投げている。どんな球ではなく、どこへ投げるかが肝(きも)なのだ。

 今季、原監督に投打でこのような基本的な戦略・考え方があったか。同情する点があったにしても大事な勝負所で「何か」が決定的に欠けていることが露呈した。

 原監督はこの「何か」を分かっているはずだ。大いに反省して、次に監督をやる人に伝えてもらいたい。

 原監督には厳しい言葉になったが、グズグズせずに潔い態度を取ってほしい。巨人OBとしてかわいそうだとも思うが、辞め時であるのは確かである。(成績は28日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。