ド軍・エースの大スキャンダルが山本由伸、今永昇太のメジャー入りに大きな影響 第二のバウアーになる可能性も
米スカウトが日本で忙しくする理由
米・ロサンゼルスにあるBMOスタジアムの場外で起きた“男女間のトラブル”が日本球界にも飛び火していた。
【写真を見る】チームの人気者だったが(ドジャースの公式インスタグラムより)
去る9月13日の中日戦。横浜スタジアムのプレス向け受付で、「こんなに多いの?」と、スタッフが驚きの声を上げた。同日の先発はエース・今永昇太(30)。現地時間6日、MLB公式サイトで「今オフ、ポスティングシステムを使って米球界に移籍してくる」と報じられたせいだろう。11球団27人の米スカウトが今永を視察したのだ。
「手続きを取って、プレス用の入り口から入った米スカウトだけで27人もいたんですよ。おそらくですが、近距離で撮影して映像資料を作るため、内野席のチケットを購入して入場した関係者もいたと思われます」(球団関係者)
同日の今永は8回を投げ、失点1。勝ち星こそ付かなかったが、150キロ台の直球と変化球が冴え渡り、視察を終えたスカウトたちは満足げな表情で球場を後にしたそうだ。
米スカウトからは、オリックス・山本由伸(25)が最も注目されている。今オフの米球界挑戦が既定路線のように伝えられており、自身2度目のノーヒットノーランを達成した9日の千葉ロッテ戦では、ヤンキーススカウトが複数体制で、アツい視線を送っていた。
「米スカウトの視察は日常茶飯事でしたが、9月に入ってから人数が増えた印象です」(在阪球団スタッフ)
その理由はロサンゼルス・ドジャースにあった。エース左腕のフリオ・ウリアス(27)が「DV騒動」を起こしたのだ。当然、厳しい処分を受けることになる。
MLB球団のDV騒動が、なぜ日本球界に影響するのか――。
大谷と人気を二分する今オフFAの目玉
「ウリアスは、21年に最多勝、22年は最優秀防御率と、2年連続で投手タイトルを獲得した左腕投手です。今年も逮捕されるまでの間、11勝(8敗)を挙げていました」(米国人ライター)
その屈指の先発左腕は今オフ、フリーエージェントになる予定だった。現在、年俸1425万ドル(約18億5250万)だが、ドジャースは流出阻止に必死だった。というのもヤンキース、メッツ、パドレスなど、複数の有力チームが争奪戦に加わる準備を始めていたからだ。
ところが、である。
去る3日、サッカー「インテル・マイアミ対ロサンゼルスFC」の試合がBMOスタジアムで行われた 。マイアミにはワールドカップでも活躍したリオネル・メッシ(36)が加入しており、同試合には多くのセレブや著名人が招待されたという。
「その招待客リストのなかに、ウリアスの名前もありました。実際に試合を観戦していたかどうかは不明ですが」(前出・同)
試合終了後、「スタジアムの外で男女がケンカをしている」との通報があり、急行した警察官に取り押さえられた男性というのが、ウリアスだったのだ。
「スポーツ専門メディアESPNなどは、急行した警察官がその場で双方を聴取し、女性側への暴行があったことが確認されたと伝えています。家庭内暴力の容疑で逮捕され、MLB機構と選手会が話し合い、休職扱いとなっています。逮捕の翌朝、本人は保釈金5万ドル(約725万円)を払って釈放されましたが、調査期間中は休職が無期限で延長される見込みです。今季中の復帰はもちろん、調査や今後の裁判次第では厳しい判断が下されるはず」(前出・同)
ウリアスは今オフの米FA市場では「大谷と人気を二分する」とまで言われていた。しかし、この件で残留を目指していたドジャースはもちろん、獲得しようとしていた有力チームは“方向転換”を求められたのである。
DeNA・今永、オリックス・山本、日本ハム・上沢直之(29)などの“ネクストメジャーリーガー”への視察が急に慌しくなったのはその影響だろう。
「ウリアスのDV騒動は2回目です。19年、ショッピングモールで同棲していた女性と駐車場で大ゲンカしています。暴力を振るったため、20試合の出場停止処分も下されました。その後、ウリアスに対するファンの評価は一変しました」(現地メディア関係者)
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