最速優勝「岡田阪神」は常勝軍団へ進化中 「ドラフト戦略」に強さの秘密が…参考にした球団は
岡田体制下でのチーム強化策
岡田体制になった昨年も外野手の森下翔太(23)が1位指名されたので、「野手重視」の方針は継承されているようだ。
「岡田監督は高校生野手を育てたいと話していました。今度のドラフトでは一発の脅威を秘めた大砲タイプを指名すると思われますが、被死球で骨折した梅野隆太郎(32)が右肩も痛めていることが判明しました。FAかトレードを行うのかまだ分かりませんが、ドラフトで捕手を重視する可能性も出てきました」(前出・同)
現状では高校一年生から密着調査を続けてきた佐々木麟太郎(18=花巻東)が、やはりトラの本命と言われている。野手重視のドラフトは「骨太のチーム」を形成した。3番森下、4番大山、5番佐藤輝明(24)と1位選手を並べたクリーンアップは「ドラフトの勝利」とも言える。もっとも、「大学生を指名した結果。阪神が育てたわけではない」と指摘する声も聞かれた。岡田監督が「高校生を育てたい」と言っているのは、指名基準の見直しで立て直したチームをさらに強くするためなのかもしれない。そう、あとは「育成」だ。
「青柳晃洋(29)は15年5位、湯浅京己(24)は18年6位、村上頌樹(25)は20年5位の指名です。下位で指名した投手が主力に成長しています。阪神の投手育成はしっかりできているのでは」(前出・球団関係者)
ただ、気になることもある。このまま行くと、阪神は異例のペナントレース終了となりそうなのだ。可能性は低いものの、万が一、近本が盗塁王争いに敗れれば、「打者部門の主要タイトルホルダーなし」となりそうなのだ。
「投手部門では村上が規定投球回数に到達し、防御率のタイトルがほぼ確実になりましたが、打撃の主要項目である本塁打、打率、打点のタイトルホルダーがいない優勝チームになります。打者部門は近本の盗塁王、中野拓夢(27)の最多安打だけかも」(前出・在阪メディア関係者)
阪神は、主軸バッターが打てないときも試合を落とさないチームに変貌したのだ。これも、野手層が厚くなった証であり、連覇を狙えるチームへ変貌中と言っていいのではないだろうか。