「らんまん」で万太郎の次女を演じた遠藤さくら その魅力を探る

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「らんまん」はターニングポイントと呼ぶべき作品に

 その表現力と表情はもちろん、ドラマの世界でも生かされている。「らんまん」までにネット配信ドラマ6本、民放の地上波ドラマ1本の出演経験がある。特に印象的だったのは、美少女ヒロイン・桜井カンナを演じた「もしも、イケメンだけの高校があったら」(テレビ朝日系・2022年)だ。イケメンが集まる学校に進学しながらもイケメンに一切関心がなく、普通の男子に興味を持つキャラクターを好演した。

「らんまん」では、成長した千歳を演じた。その初登場シーンでは、妹の千鶴にいきなり「洗濯物取り込んで!」、「一つのこと最後までやってから次やりなさいって言ってるでしょ」などと言い聞かせ、母親ゆずりのしっかり者という姉らしさを覗かせた。

 本作では、自然体な演技が全体的に目を引いた。万太郎の助手・山元虎鉄(濱田龍臣)と千歳がめでたく結婚した回では、「千歳」という名前に込めた思いを語った万太郎に、千歳が「それが1番の贈り物です」などと感謝を伝えるシーンがあった。ここでの彼女が過度な演技をせず、“ありのまま”で演じたからこそ感動的になり、千歳の魅力も伝えられたといえる。

 朝ドラへの出演は、彼女にとって地上波の連ドラ2本目だ。そこで、しっかりと“爪跡”を残した。今後は、俳優としてのオファーが殺到するに違いない。「らんまん」はターニングポイントと呼ぶべき作品になったのではないだろうか。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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